前回の記事で、ひさしぶりにギネア=ビサウの男性デュオ、
イヴァ&イチイの名前を見つけて懐かしくなり、
彼らのCDを引っ張り出してきました。
小国ギネア=ビサウのポップスは、熱心なファンの間でも、
せいぜいスーパー・ママ・ジョンボが知られているくらいじゃないでしょうか。
そういえば先日、デビュー当時の未発表録音が発掘されましたね。
あと、思いつく人といえば、日本盤が出た女性歌手の、エネイダ・マルタぐらいなものかな。
ぼくはエネイダ・マルタの声が苦手なので、
どうせ日本盤を出すなら、イヴァ&イチイの方がいいのに、なんて思ってたんですけどね。
エネイダが日本で出たのは、フランスのレーベルから出た
インターナショナル向けの作品だったからで、
日本と契約があるはずもないポルトガルのマイナー・レーベルのアーティストを、
日本で出すのは無理筋でしょうけれどね。
それに日本の音楽関係者で、イヴァ&イチイを知っている人なんていないだろうし。
まぁ、そんなこともあって、知られぬままの存在となっているのがクヤシイので、
『ポップ・アフリカ700/800』には二人の99年作を入れたんですけれども。
ギネア=ビサウといえば、グンベーが盛んなお国柄。
寄せては返す、波のような反復メロディを繰り返すグンベーももちろん歌いますが、
ほかにもマンデ・ポップありルンバありの、
汎アフロ・ポップな幅広いレパートリーが、彼らの魅力なんですね。
コラやバラフォンをフィーチャーしたマンデ・ポップは、地域性ゆえといえそうですけれど、
ズークや、ヴァイオリンをフィーチャーしたビギンまでやるのは、
同じポルトガル語圏のカーボ・ヴェルデからの影響と思われます。
そんな幅広い音楽性を持つ上質のクレオール・ポップを、
ヨーロッパのプロデューサーを介さずして実現するクオリティは、大したもんじゃないでしょうか。
優男ぽいイヴァと、スモーキーなイチイという、ヴォーカルの対比も味があります。
そういえば99年作の方には、ソロ・デビュー前のエネイダ・マルタが参加しているんでした。
謎めいているのはジャケットで、これはいったい、何を意味してるのかなあ。
Iva & Ichy "PUTI DE MEL KEBRA “PATCH”?" Teca Balafon CDBAL007/99 (1999)
Iva & Ichy "PILOTO DI LANTCHA" Teca Balafon CDBAL003/03 (2003)