昨年末聴いた、タイの仏教歌謡レーのアイドル・デュオ、
ウタイラット・グートスワン&チャンチラー・ラーチャクルーの新作。
前作は、曲調に変化がなく単調きわまりない内容に加え、
地味なプロダクションという悪条件にもかかわらず、
二人の歌のうまさに引き込まれて、すっかり惚れ込んでしまいました。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2015-12-26
新作は、前作『タイの宝物』の続編で、今回はDVD付。
男女の恋模様を寸劇にしたものや、あでやかなタイ舞踊で演じられる映像は、
どれもおそらく、仏教説話がもとになっているものと思われます。
歌われている言葉がわかれば、意味もわかるのでしょうけど、
映像だけで内容を想像するのは、なかなかハードルが高いなあ。
外国人には雰囲気のさわり程度しか感じ取ることができませんけれど、
レーがタイ仏教を大衆芸能化したものであることだけは、よく伝わってきますよ。
今回のDVDでは、ウタイラットとチャンチラーの歌を聴き分けることもできました。
長身のウタイラットは、チャンチラーより声がやや低めで、
まろやかな歌い口に円熟味を感じるとともに、こぶし使いが絶品。
これみよがしにこぶしを使うのではなく、
繊細で正確に回す鮮やかな技巧に、うならされます。
一方、背の低いチャンチラーは、ウタイラットより高めの声でハリがあり、
押し出しの強さに、若々しさが表れています。
今回もプロダクションは、歌伴に徹しているため、聴きどころはなく、
二人の歌のうまさを聴き込むことしかできないわけですが、
次作ではそろそろ、ジョムクワン・カンヤーのアルバムのような、
サウンドの変化が欲しいですねえ。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2015-11-20
[CD+DVD] Utairat Kerdsuwan & Janjira Rachkru "SOMBAT THAI VOL.2" Here no number (2016)