世界で老人がカッコいい国といえば、キューバとコンゴが両横綱でしょうか。
キューバはサンティアゴ・デ・クーバのソンのグループで、
ロス・フビラードス、その名も「退職者」というグループを初めて知りました。
ワタクシもお年頃のせいか、親近感のわくグループ名であります。
写真を見ると、トランペッター以外のメンバー全員がご老人で、
ご隠居クラブといった面持ちなんですが、みなさんオシャレで、さすがはキューバです。
そんでもって、音楽がまたハツラツとしてるんだから、たまりません。
アルバム全編にみなぎる、ソンのスピード感がすごい。
なにこの疾走感! キリリと引き締まったビート!
枯れた円熟味なんて、どこへやら。こんなにフレッシュな演奏を、
ほんとにこのおじいちゃんたちがやってんのかと、のけぞっちゃいました。
すんごいなあ。
サンティアゴ・デ・クーバには、こんなグループがいくらでもいるんだろか。
ロス・フビラードスというグループをぜんぜん知らなかった不明を恥じて、
あわてて調べてみたら、94年にサンティアゴ・デ・クーバの伝説的なソネーロ、
フアン・グアルベルト“ベベート”フェレールがリーダーとなって結成したグループで、
セカンド・ヴォーカルにベベートと50年代からのコンビのマリオ・カラカセスを擁していました。
98年にデビュー作“CERO FARANDULERO” をメキシコのコラソンから出し、
本作は8年ぶりの7作目にあたるとのこと。
06年からはペドロ・ゴメスがリーダーを務めていて、
ベベートとカラカセスはすでに他界していて、
結成当初のメンバーはもう残っていないみたいです。
キレ味たっぷりのソンには、サンティアゴ・デ・クーバらしい味わいがいっぱい。
レパートリーにはメンバーのオリジナルのほか、
ピート “エル・コンデ” ロドリゲスが歌った“Catalina La O” や
ジョー・アロージョの“Rebelion” なんて曲も。1曲クンビアもやっています。
すっかりお気に入りになってしまって、
これまでこのグループを知らなかった不明を恥じて、
現在前作のエグレム盤“PURA TRADICION” と
デビュー作のコラソン盤“CERO FARANDULERO” をオーダー中。
届くのが楽しみです。
Los Jubilados "LA LLAVE DEL SON" Egrem CD1369 (2016)