アフリカの木琴好きにはたまらない伝統ポップ作 SK・カクラバ・ロビ
昨年オウサム・テープス・フロム・アフリカからリリースされた、 ガーナの木琴奏者SK・カクラバのアルバムは、ギリ(木琴)1台の完全独奏で、 民俗音楽然としたアルバムでしたけれど、 http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2015-10-01 まったく趣の異なるSKの旧作を聴くことができました。...
View Articleアンゴラのフリー・ソウル カンダ
これは、アンゴラのシティ・ポップス !? センバでもキゾンバでもない、オシャレなアフロ・ポップは、 インターナショナルのマーケットで通用するクオリティといえるんじゃないですかね。 へぇ、アンゴラには、こんな人もいるんですねえ。 84年ルアンダ生まれのカンダこと、エマヌエル・ジョゼー・コスタ・カンダのデビュー作。...
View Articleナイジャ・ヒップホップR&B+ヨルバ・ポップ ダレイ
ティワ・サヴェイジのアルバムで、 ナイジェリアのポップスのクオリティの高さにノックアウトをくらい、 ナイジェリアはヒップホップよりR&B寄りのポップスの方が、 断然面白いことに気づかされたんですが、 今度はダレイという男性シンガーの最新作に、やられちゃいました。 本作が5作目になるという“NAKED” は、のっけの“Asiko Laiye” からゴッキゲン。...
View Articleコンテンポラリー・マンデ・ポップ アイサタ・クヤテ
クヤテというその姓から、グリオ出身であることはすぐわかるものの、 アイサタ・クヤテという女性歌手の名は、これまで聞いたことがありませんでした。 すでに何回か来日しているらしく、今年も夏にやってきたといいます。 招聘したのが、アフリカン・ダンスのスタジオで、 コンサートではなく、ダンスやジェンベのワークショップとして開催されたらしく、 歌より、ダンスの方がメインだったのかもしれません。...
View Article新世代パームワイン・ギタリストの誕生 チェチェクー
いまどきパームワインを演奏する若いギタリストが、ガーナから登場するとは。 ヴィンテージ・パームワインの復刻CDを目下制作中の深沢美樹さんが、 フェイスブックで紹介されていた、チェチェクーなる若者のデビュー作。 ヴィンテージSPのリイシューCDが、楽しみで待ち遠しいんですけれど、 その前に新作パームワインが聞けるとは、前祝いでしょうか。嬉しいですねえ。...
View Articleエレクトロ・アンビエント・ソウル ジョーダン・ラカイ
ジャケットのヴィジュアルに、到底自分のシュミじゃないと思っていたら、 偶然耳にした“Midnight Mischief” がドツボで、ハマってしまいました。 オーストラリア出身の新鋭シンガー・ソングライター、ジョーダン・ラカイのデビュー作です。 ネオ・ソウルって、サウンドは好みなんだけど、主役の声がダメっていうケースが多くて、 なかなか好みのアルバムと巡り合うことができないジャンル。...
View Article88年のツインズ傑作 コリントン・アインラ
コリントン・アインラの最高傑作は、 オルモ時代の82年作“AUSTERITY MEASURE” と信じて疑わないぼくですが、 http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2011-05-13 88年あたりから90年代半ば頃までのコリントン時代の諸作を 最高傑作とする人がいても、異論はありません。...
View Articleカタログに残らない歴史的名作 アマリア・ロドリゲス
『ポルトガルのファド』とずばり名付けられたタイトルも神々しい、 アマリア・ロドリゲスの56年の名作が、50周年記念エディションとしてお目見えしました。 2枚組のディスク1には、オリジナル盤収録の12曲が初のモノラル・ヴァージョンでCD化され、 さらに本作のセッションで録音された別の既発曲10曲が収録されています。 ディスク2には、別テイクやテスト・テイクなどの未発表音源を収録していて、...
View Articleアビシニア・ママ マルタ・アシャガリ
マルタ・アシャガリの新作! おお、なんてひさしぶり。 この人の歌を聴くのは、96年のAIT盤“CHILD'S LOVE” 以来ですよ。 AIT盤のライナーには、これがマルタの6作目で、29歳と書かれていたので、 現在は49になるわけね。女性の年齢をわざわざ書くのは、失礼でありますが。 アルバムの少ない人で、これまで出たCDはこのAIT盤1枚だけのはず。...
View Article華のあるエチオピア演歌 ゲテ・アンレイ
かすかに苦味を加えた味のある声、なんか聞き覚えがあるなあと思って、 棚をごそごそと探したら、この人の04年作“CHEBEL LEBE” がありました。 少しクセのあるテナー・ヴォイスで、伸びのあるヴォーカルを聞かせる エチオピアの男性シンガー、ゲテ・アンレイ。 キレのあるこぶし使いが巧みで、いい歌手だなあと思いつつ、 ナホンの凡庸な金太郎飴プロダクションが、その歌いぶりを生かせず、...
View Articleキューバのメロウネスに酔う ルイス・バルベリーア
オ・ド・ロ・き・ました。 キューバにこんなオシャレなアーバン・ポップスがあるとは。 キューバの新世代シンガー・ソングライターという、 ルイス・バルベリーアの新作サンプルを聴いて、ソッコー、ぽちりましたよ。 パブロ・ミラネースやシルビオ・ロドリゲスへの悪印象のせいで、 ヌエバ・トローバは完全無視のジャンルと、自分の中に位置づけたのがもう30年前のこと。...
View Article爺ちゃん、ハツラツ! ロス・フビラードス
世界で老人がカッコいい国といえば、キューバとコンゴが両横綱でしょうか。 キューバはサンティアゴ・デ・クーバのソンのグループで、 ロス・フビラードス、その名も「退職者」というグループを初めて知りました。 ワタクシもお年頃のせいか、親近感のわくグループ名であります。 写真を見ると、トランペッター以外のメンバー全員がご老人で、...
View Articleかくも短き独立の歓喜 テタ・ランド
独立戦争から内戦と、戦乱に翻弄されたアンゴラの70~80年代に、 国内外のアンゴラ人からもっとも愛された歌手が、テタ・ランドでした。 アルベルト・テタ・ランドは、アンゴラ北部、コンゴ民主共和国の国境に接するザイーレ州、 ンバンザ・コンゴの裕福な大地主一家のもと、48年に生まれました。 一家には32人もの子供がいたそうです。 ちなみに、10年にテタ・ランドに捧げたアルバム“LETRA...
View Article雑食ファンクからヴードゥー・ファンクへ T・P・オルケストル・ポリ=リトゥモ
おそれいりました、フローラン・マッツォレーニ。 今度はベニンの老舗楽団ポリ=リトモの新作を手がけましたよ。 フローランが監修した、オート・ヴォルタの70年代録音3枚組CD写真集に 感服していたばかりだったんですけれど、リイシューだけでなく新作まで、 いまや西アフリカはフローランの独壇場ですね。 ベニンのT・P・オルケストル・ポリ=リトゥモといえば、...
View Articleペディのルーツを見つめて セラエロ・セロタ
南ア・ジャズのミュージシャンといえば、ケープタウンやジョハネスバーグの出身者が多いなかで、 ギタリストのセラエロ・セロタは変わり種。 65年1月3日、南ア北部リンポポ州の州都ポロクワネ近郊の セクルウェ村に生まれたペディを出自とする人で、 幼い頃からペディの伝統的な音楽やダンスに触発されて育ったといいます。 高校卒業後、鉱山労働者として働き、その後ジョハネスバーグに移ってギターを覚え、...
View Article南ア・ジャズの新進ピアニスト ボカニ・ダイアー
これが、まだ20代半ばの若者の作品とは。 デビュー作を前年に出したばかりという、 南アのジャズ・ピアニスト、ボカニ・ダイアーの11年作。 その重厚な作風は、年齢に見合わない老成を感じさせるもので、 これがまだ2作目というのだから、恐れ入ります。 ボカニ・ダイアーは86年1月21日生まれと、カイル・シェパードと並んで...
View Articleジャズ・ベーシストがみた南ア黒人音楽絵巻 ハービー・ツオエリ
時間を見つけては、ここ10年くらいの南ア・ジャズの旧作を、 あいかわらずほじくり返してるんですが、 良作がけっこうあって、目を見開かされ続けています。 嬉しくなってしまったのは、十把一からげに「南ア・ジャズ」のひとことで括れない、 いろいろなタイプの音楽が聞けることで、 さらに、個性豊かなサウンドのいずれもが、 しっかりと南ア音楽の伝統を背負っていることに、あらためて感動を覚えました。...
View Articleアダルト・オリエンテッド・シャバービー キャロル・サマハ
今年はシャバービーの当たり年ですねえ。 まず、ナワール・エル・ズグビーの新作に始まり、 http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14 シーリーンのゴージャスな歌謡アルバム、 http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2016-06-21 王道のポップスに帰ってきたアンガーム、...
View Article冬の慕情 ハー・ヴァン
ひさしぶりにヴェトナムの伝統色溢れる、民歌(ザンカー)集と出会えました。 ちょうど一年前にも、南ヴェトナム懐メロ集で楽しませてくれたハー・ヴァンのアルバムです。 http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2015-12-14 とてつもなく歌のうまい人なんですが、実にさりげなく歌う人で、 けっしてその技巧をあからさまにオモテに出さないところは、...
View Article南ヴェトナム大衆歌謡の味わい バン・タム
こちらは、アメリカのヴェトナム人コミュニティで活躍する越境歌手です。 あでやかなアオザイのジャケットに引かれて曲目を見ると、 アルバム・ラストのタイトルの横に、「カイルオン」と書かれていますよ。これは期待できますね。 同い年に出たもう1枚のアルバムと合わせて、買ってみました。 冒頭から、歌謡ショーの世界そのもの。 いいですねえ。この大衆味は得難いものがありますよ。...
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