今年はシャバービーの当たり年ですねえ。
まず、ナワール・エル・ズグビーの新作に始まり、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14
シーリーンのゴージャスな歌謡アルバム、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2016-06-21
王道のポップスに帰ってきたアンガーム、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2016-06-27
大人の歌を聞かせるようになったマヤ・ディアーブ、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2016-08-08
せつな系のジャナットと、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2016-09-17
ゴキゲンなアルバムが立て続けにリリースされました。
通勤途上iPod でシャバービーを聴かない日は1日もないという、
絶賛シャバービー祭りが続くここ半年間でありますが、
これこそ今年最高の決定打といえるアルバムが届きましたよ。
それがレバノンの歌う女優さん、キャロル・サマハの7作目にあたる新作です。
ついにキャロル・サマハも、ロターナを離れたんですねえ。
ロターナ最終作となった13年の“EHSSAS” 以来3年ぶりとなる本作は、
UAEのカナワットへの移籍第1作となりました。
冒頭から打ち込みの四つ打ちで始まるんだけど、音色がいいんだよなあ。
柔らかくホップする響きが心地よくって、耳にぜんぜん痛くない。
エレクトロはセンス次第ですね、ほんとに。
前作も楽曲が良かったけれど、新作も1曲1曲趣向が凝らされていて、粒揃いです。
バラードからアップまで、多彩な表情をみせてくれます。
リズム・アレンジも巧みで、ダンス・トラックの途中で
伝統リズムにスイッチする場面など、ハッとさせられますよ。
ウード、カーヌーン、ダルブッカなどのアラビックな響きと、
オルガンやエレクトロとの練り込み方も巧いし、
一方、正統歌謡調の曲では、キエフ国立フィルハーモニー交響楽団を起用し、
ゴージャスな演出をしてるんですが、これまた見事にツボにはまっています。
前作に続き、今作でもムハンマド・アブドゥル・ワハーブの曲を取り上げ、
今回は“Aziza” に新たな歌詞を付けて歌うなど、
アラブ歌謡の王道を外さない制作ぶりは、百点満点じゃないでしょうか。
Carole Samaha "ZEKRAYATI" Qanawat no number (2016)