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88年のツインズ傑作 コリントン・アインラ

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Kollington Ayinla  Quality.jpg   Kollington Ayinla  Blessing.jpg

コリントン・アインラの最高傑作は、
オルモ時代の82年作“AUSTERITY MEASURE” と信じて疑わないぼくですが、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2011-05-13
88年あたりから90年代半ば頃までのコリントン時代の諸作を
最高傑作とする人がいても、異論はありません。

82年にオルモから自己レーベルに移ってからのコリントン・アインラの快進撃はすさまじく、
ライヴァルのシキル・アインデ・バリスターと競い合いながら、
武骨なまでに剛なるフジを磨き上げていきました。
そうしてひとつの頂点に登りつめた時代の傑作が、
88年の“QUALITY” と“BLESSING” の2作といえます。

ようやくこの2作が満足いく形でCD化されたので、あらためて聴き直してるんですが、
アブラの乗りきったコリントンのヴォーカルと、フジ・78・オーガニゼーションの
絶妙なパーカッション・アンサンブルに、ホレボレとするほかありません。

祝詞をあげるようなコリントンのイスラミックなコブシから始まり、
アゴゴなどの小物打楽器がステデイなリズムを刻む合間を、
トーキング・ドラムやトラップドラムが自在に打ち込んで、アクセントをつけていきます。
男たちのお囃子とのコール・アンド・レスポンスを繰り返しながら、じわじわと熱気を上げていき、
はっと気付いた時は、多彩な打楽器が上下左右から、
ビシビシとビートを放ってくるリズムの渦に巻き込まれ、もう夢中になっているんですね。

“QUALITY” ではパーカッション・アンサンブルの精緻な緻密さに唸らされる一方、
反対に“BLESSING” では、ラフなアンサンブルがパワフルで、
B面中盤のトーキング・ドラムのフレーズを
コーラスがなぞって歌う場面が聴きどころとなっています。

シンセを効果的に導入し始めたのもこの2作からで、
“QUALITY” のA面ラストで、打ち込みのような機械的なビートにリズムをスイッチして、
シンセが入ってくるところは、がらりと風景が一変するようで新鮮でした。
さらに“BLESSING” ではもっと大胆な取り入れ方をしていて、
A面冒頭からいきなりシンセが登場し、セリア・クルースの名唱でも有名なキューバの童謡
“Sun Sun Babae” をなぞったパートで始まるのは、ホーフク絶倒ものでした。

LP時代にこの2作を同時に入手して、続けて聴くのが習慣になってしまったせいか、
2枚組のようなつもりで聞いてしまうのですが、
この2作が今回アイヴォリー・ミュージックからCD化されたのは、大歓迎です。
すでにハイ・ケイ・ダンセントがCD化していましたが、ハイ・ケイ・ダンセント盤はすべて盤おこしで、
ノイズが酷くって聴く気がしませんでしたからねえ。

EMI系列のアイヴォリー・ミュージックが、
なぜコリントン・レコーズのこの2作をCD化したのかナゾなんですが、
マスターからちゃんとCD化しているようで、音質はバッチリです。
曲目表示すらなかったハイ・ケイ・ダンセント盤と違って、ちゃんと曲名もクレジットされているし、
ジャケットもオリジナルの写真を使い、
デザインもオリジナルLPを踏襲して作り直しているのが、好感を持てますね。

ハイ・ケイ・ダンセント盤なんて、近影のコリントン・アインラの写真を使い、
オリジナルLPのデザインなんてまったく無視してますからね。
ここ最近は、コリントン時代の諸作をオルモもCD化していて、
いったい契約がどうなってるのかという感じですが、音質はオルモの方がいいので、
これからコリントン・アインラの旧作CDを聴く方には、オルモ盤をオススメします。
いっそのこと、アイヴォリー・ミュージックが全部やってくれたらと思いますけれどねえ。

Alhaji (Chief) Prof. Kollington Ayinla and His Fuji '78 Organisation "QUALITY" Ivory Music KRLPS(CD)26
Alhaji (Chief) Prof. Kollington Ayinla and His Fuji '78 Organisation "BLESSING" Ivory Music KRLPS(CD)27

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