オ・ド・ロ・き・ました。
キューバにこんなオシャレなアーバン・ポップスがあるとは。
キューバの新世代シンガー・ソングライターという、
ルイス・バルベリーアの新作サンプルを聴いて、ソッコー、ぽちりましたよ。
パブロ・ミラネースやシルビオ・ロドリゲスへの悪印象のせいで、
ヌエバ・トローバは完全無視のジャンルと、自分の中に位置づけたのがもう30年前のこと。
キューバのシンガー・ソングライターなんて、まったくの関心外でしたけど、
時代はとっくに移ろっていたんですねえ。
そういえば、パブロ・ミラネースの娘がステキなフィーリン作を出してたっけなあ。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2015-09-03
ほかにも、アクースティック・サウンドでジャジーなヴォーカルを聞かせる若手に、
ジューサをはじめ、テルマリーやヘマ・コレデーラがいますけど、
どうもどの人も薄味で、ぼくには魅力薄だったんですよね。
ラテンが薄味じゃ、ダメでしょ。
でも、ルイス・バルベーリアの歌い口にはコクがあって、惹かれたんですよ。
そして、ジャジーなポップ・センスにも、目を見張らされました。
アクースティック・ギターを軸にしながら、ドゥーワップやスキャットをこなし、
グルーヴィなファンクをさらりとやってのける手腕も鮮やかで、
インターナショナルに開かれた音楽性を感じさせる人ですね。
ルイス・バルベリーアは、スペインを拠点にヨーロッパで活動していたんだそうで、
たしかにキューバ国内よりも、グローバルなマーケットの方が、ウケはよさそう。
韓国人ギタリストと女性ベーシストがバックを務めるのも、イマっぽいもんな。
キューバ帰国後、エグレムと契約したことは、国内では意外と受け止められたようです。
ルイスの太くソフトなヴォーカルを包み込む、
女声四重奏セスト・センティードの天使の歌声が極上のメロウさで、
羽毛布団のベッドにダイヴするような、夢見心地を味あわせてくれます。
クアルテート・エン・シーを思わすのは、ブラジル好きのサガでありますが、
ラス・デ・アイーダの現代版ととらえるべきなんでしょうね。
なんか、ここんところ、オーガニックでジャジーなポップスがきてるなあ。
アンゴラのカンダに続き、絶賛ヘヴィー・ローテーションとなること間違いなし。
大嫌いな言葉ではありますが、スタイリッシュという形容は、
こういう音楽にこそふさわしいのかもしれません。
[CD+DVD] Luis Barberia feat. Sexteto Sentido "A FULL" Egrem CD+DVD1268 (2014)