へぇ~、こんなCDがあるのかぁ。
知ってます? 無印良品が店内で流しているBGMのCDシリーズ。
無印良品のお店にあまりなじみがないもんで、
こんなCDシリーズがあるなんて、ぜんぜん知りませんでした。
フツーのCDショップじゃ売ってないから、気づかないよねえ。
アイルランド、ブルターニュ、リオ・デ・ジャネイロ、ハワイ、プエルト・リコなどなど、
世界各地でレコーディングされた自主企画の録音が20タイトル以上もあって、
ライセンス契約のタイトルを含めると、
その数30を越す一大シリーズというのだから、タイヘンです。
まるでワールド・ミュージック・ファンのために
作られたようなラインナップなんですけど、
ほとんどのワールド・ミュージック・ファンが、これ、知らないでしょう。
なんせ無印良品のお店でしか売ってないんですからねえ。
店内で流すBGMのために、こんな贅沢なレコーディングをしてるとは、驚愕。
このBGMシリーズの20番が、ペルーのリマでレコーディングされた
クリオージョ音楽アルバムだというんだから、聞き捨てなりません。
しかもプロデューサーは、なんと、
サヤリー・プロダクションのフェルナンド・ウルキアガ。
なんだってぇ~? 思わず声が裏返っちゃいましたけど、
このレコーディングのコーディネーターを務めた
アオラ・コーポレーションの高橋めぐみさんから、
「ロサ・グスマンも1曲歌ってるのよ」と耳打ちされ、まじですか!
すぐさま無印良品のお店に駆け込み、手にしたCDは、
ダンボール紙のジャケットに、「20」の文字をエンボス仕上げしただけのそっけなさ。
なんとお値段、千円ぽっきりであります。安っ!
サヤリー・プロダクション諸作のキー・パーソンともなった
エドゥアルド“パペオ”アバンはじめ、ダビラ家のマキシモ・カルロス親子、
カルロス・カスティージョなど、
『ファミリア』『ラ・グラン・レウニオン』の立役者が勢ぞろい。
歌と演奏曲が半々のレパートリーという聴きやすさが、BGMたるゆえんでしょうけれど、
クリオージョ音楽シーンで活躍する名手たちによる演奏は、
サヤリー・プロダクション制作と寸分もかわらないハイ・クオリティで、
これが千円で楽しめちゃうって、もったいないような、申し訳ないような。
音楽誌に紹介されることもないので、ぼくみたいに気づいていない音楽ファンも
大勢いるはず。『リマ編』に限らず、このシリーズは要チェックですよ。
ネットのカタログをのぞいてみたら、『リオ・デ・ジャネイロ編』は、
先月話題にあげたサックス兼フルート奏者のエドゥアルド・ネヴィスが参加した
ショーロ・セッションのようだし、『ハワイ編』『アイルランド編』なんて、
もう売り切れになってますよ。
さらに、自主企画シリーズの『BGM』とは別に、
『BGM+』というライセンス契約シリーズものもあって、
そのラインナップをみたら、まー、ぼくの愛聴盤がずらり。
スコットランドの女性ハープ・デュオ、シーリスの96年の大傑作“PLAY ON LIGHT”、
アイルランドの女性歌手アイリス・ケネディの01年の名盤“TIME TO SAIL”、
ケルト音楽バンド、フルックの02年作“RUBAI”、
カーボ・ヴェルデの女性歌手ルーラの04年作“DI KORPU KU ALMA”。
これをセレクトした人とは、お友達になれそうですねえ。
Eduardo “Papeo” Abán, Calros Castillo, César Oliva, Rosa Guzmán, Leticia Curay, Calros Ayala and others
「BGM 20 LIMA」 無印良品 WQCQ634 (2015)