う~ん、この人はやっぱり、ライヴの方が断然輝くよなあ。
届いたばかりの新作を聴いて、実感しましたよ。
現在のマルチニークでサイコーにダンディな歌を歌うトニー・シャスールの、
デビュー30周年を記念するライヴ盤であります。
昨年のスタジオ盤“LAKOU LANMOU” をライヴでお披露目したもので、
16年10月にパリのラ・シガールで行われたコンサートが、
CD2枚とDVDに収録されています。
スタジオ盤と同じレパートリーが、見違える歌いっぷりで、
魅力倍増どころか、10倍増ぐらいになっているんですよ。
トニーって、スタジオ盤では端正にまとめすぎちゃうところがあって、
スムーズな歌いぶりが左から右に流れてっちゃうんだけど、
ライヴになると、がぜんイキイキとして、歌い口もぐっと生々しく、
冴えた歌いっぷりになるんですよね。
トニーが率いるビッグ・バンドのミジコペイが、その典型でしたよね。
あのライヴDVDには、ほんとにブッとびました。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2015-03-07
え~、ミジコペイって、こんなに良かったっけかと、
あわててスタジオ盤引っ張り出して聴き直しましたけど、
まるで違うんですよ。やっぱりスタジオ盤はお行儀よく作った感が強くって、
それくらいライヴのダイナミズムは、段違いのスケール感があります。
というわけで、今回のデビュー30周年記念ライヴも同様。
スタジオ盤では味わえない、弾けまくり、キレまくるリズム、
フレンチ・カリブのクレオール・ジャズの名手たちが巻き起こすグルーヴに、
身体の芯がシビれまくります。
今作はホーンズばかりでなく、
ストリングス・セクションも配した贅沢なサウンドなんです。
トニーの闊達なスキャットやヴォイス・パーカッションも、
ライヴだから発揮されるスポンティニアスさで、客とのコール・アンド・レスポンスも巧み。
トニーって、一級のジャズ・ヴォーカリストにして、エンターテイナーですよ。
ミジコペイのDVDで圧倒されたトニーの才能を、ここでも再認識させられます。
ディスク1のビギン・ジャズあらためクレオール・ジャズ、
ディスク2のクレオール・ポップともに、トップ・クラスのミュージシャンを
入れ替わり立ち代わり使い、コーラスもミジコペイで登場した女性シンガーばかりでなく、
ゴスペル・クワイヤも起用して、これが盛り上がらずにおられよかといった場面の連続。
ああ、生で観たーーーーーーい! このグルーヴに身を浸して踊りた~い!
トニー、日本に来てぇーーーーーー! 誰か呼んでくださいーーーーーー!!!
[CD+DVD] Tony Chasseur "LIVE - LAKOU LANMOU : 30 ANOS DE CARRIÈRE À LA CIGALE" 3M - Mizik Moun Matinik CM2487 (2017)
Tony Chasseur "LAKOU LANMOU" 3M - Mizik Moun Matinik DHP055-2 (2015)