ファニー・プフーモと一緒に手に入れたのが、エーユフーローの06年作。
エーユフーローはモザンビーク北東部インド洋沿岸出身のメンバーを中心に、
81年に結成されたグループで、本作はタイトルが示すとおり、
結成25周年を記念したアルバムです。
エーユフーローの音楽はマラベンタではなく、
北部ナンプラ地方の伝統リズム、トゥフォ、ナマハンガ、マセプア、
ジャリマネ、モロ、チャカチャを取り入れたもので、
90年にリアルワールド盤によって、世界に知られるようになりました。
その後、01年にイギリスのリヴァーボートから出した2作のほか現地作はなく、
06年の本作は3作目にあたります。
リヴァーボート盤を知る人なら、おわかりのとおり、
ジャケットが同じ写真を使っているんですが、
単色からカラーになったため、ぐっと鮮やかな印象になって、目を引きますね。
内容はというと、残念ながら新録ではなく、
リアルワールド盤とリヴァーボート盤から選曲した、いわばベスト盤的内容でした。
ただし、その2作に未収録の
“Mandela” “Malavi” “Ophentana” の3曲が追加されています。
おそらくこの3曲は、リヴァーボート盤録音時の残り曲なんじゃないかな。
ほかに、既発曲も、“Aiyaka”のように
オリジナルより1分半以上も長く収録されているなど、
編集違いのヴァージョンもあって、2作を持っているファンでも楽しめる内容です。
あらためて、ひさしぶりにエーユフーローを聴きましたけれど、
やっぱりいいグループですね。
リード・ヴォーカルのゼカ・バカールのおおらかな歌声には、
アフリカ人女性らしさを強く感じさせ、
こういう声にこそ、「癒される」という言葉を使いたくなります。
まろやかなリズムが、ハンモックに揺られている気分にさせてくれますよ。
寄せては返すゆったりとした海洋性のリズム、
アクースティック・ギターのオーガニックな響きは、
ハワイ音楽に通じる爽やかさがあり、
モザンビーク海峡の「旋風」(エーユフーローの意味)にのって、
インド洋の海と空の抜ける青さを感じさせます。
Eyuphuro "25 ANOS" Vidisco 79.80.0144 (2006)