なんて羨ましい連中なんだろう。
ミュージシャンをこれほど羨ましく思わせるアルバムも、
なかなかないんじゃないかな。
自分たちが、その音楽をやる直接の動機となった、
伝説クラスの音楽家と共演できる幸福。
会えるだけでも、自分たちの音楽を聞いてもらうだけでも、
天にも昇る心地となるほど憧れた相手と、今一緒に演奏しているということ。
そんな敬愛の念がびんびんと伝わってきます。
しかも、そんなリスペクトの気持ちが、遠慮につながってないところが、またいい。
とかく、こういう愛が強すぎる共演では、愛する側が遠慮しすぎてしまって、
萎縮してしまったりするもんですけれど、ぜんぜん、そんなになっていない。
伝説のホンカー、ビッグ・ジェイ・マクニーリーを前にして、
ハンパな演奏など、恥ずかしくてできないぜとばかり、
全力を出し切ろうとする、ブラッデスト・サキソフォンの演奏ぶり。
ソロ・リレーでは、ビッグ・ジェイに負けてなるかと挑む、
その熱い気持ちがびんびん伝わって来て、目頭の裏をジーンとさせます。
12年のクラブクアトロで踊りながら泣いたあの夜を、また思い出してしまいました。
あの後、ライヴ盤が出て、
その3年後に再来日し、レコーディングをしたことは聞いていたので、
待ちに待ったアルバムです。
クリス・パウエルの“I Come From Jamaica” をやってくれたのは、嬉しかったなあ。
モノラル録音の良さも格別。
ジュウェル・ブラウンとの共演も感動の一作でしたけれど、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2014-12-09
音楽で結びついた日米・老若の友情に、胸アツとなる大傑作。
ビッグ・ジェイ、この時、88歳。とんでもありません。
Bloodest Saxophone feat. Big Jay McNeely 「BLOW BLOW ALL NIGHT LONG」 Mr. Daddy-O SPACE006 (2017)