マイアミから飛行機で、カリブ海をひとっ飛び。
カリブ海の一大リゾート地、バハマのナッソーのホテルに宿泊して、
ラウンジのバーでくつろいでいると、
ハウス・バンドのショウ・タイムが始まりました。
ビバップ・バハマの音楽を表わすなら、こんな感じでしょうか。
肩肘の張らない、イージー・リスニング・ジャズ。
ラウンジー気分で楽しめる、夏の夜の納涼盤であります。
久し振りに思い出して、棚から取り出してきました。
ビバップ・バハマは、スティール・ドラムをリーダーとする、
ヴィブラフォン、ベース、ギター、ドラムスの5人編成。
ヴィブラフォンとベースは、曲により交替する別の2人がいて、
7人の名がクレジットされています。
スティール・ドラムでジャズというと、
モンティ・アレキサンダーとオセロ・モリノーの共演や、
近く来日するアンディ・ナレルを思い浮かべますけれど、
こちらは、もっとイージー・リスニング寄りのグループ。
レパートリーは“On The Sunny Side of The Street”
“Shiny Stockings” “Here's That Rainy Day” “In A Mellow Tone”
といった有名スタンダード曲が中心で、
グループ名にビバップを名乗るだけあって、
ガレスピーとパーカーの古典曲“Groovin' High” “Au Privave” を取り上げ、
カリプソにアレンジしたところがミソ。
選曲はいかにも凡庸で、典型的なBGM用の駄盤に思われがちですけど、
これがあにはからんや、なかなかいいんです。
スティール・ドラムをフィーチャーしたイージー・リスニングもので、
このビバップ・バハマは、頭一つ抜けた作品といえますね。
正直買う前は、あまりにヒドいジャケット・デザインに、ビビったんですどね。
コンピュターで書いたヘタウマならぬ、テキトーなグラフィックは、キッチュの極み。
スティール・ドラムとベースとドラムスが演奏するステージは、
カリブというよりポリネシアのイメージだし、
なんだかティキティキみたいな安っぽい南国風レストランみたいで、
聴く気も萎えるんですが、これは侮れない一枚です。
あ、ちなみに、メンバーは全員LA出身のミュージシャンです。
バハマのミュージシャンというわけではないので、あしからず。
BeBop Bahama "BEBOP BAHAMA" Sea Breeze SB3064 (2004)