あづい~~~~~。
あちいですねえ、今年の夏も。
毎朝夕のウォーキングがシンドイ季節ではありますけど、
帰りは、汗だくになったあとの風呂が待ってますからねえ。
思えば、ウォーキングをする習慣ができるまでは、
夏はシャワーだけで、湯船に浸かることはしなかったんですが、
有酸素運動でたっぷり発汗したあとの風呂の極楽気分は、格別。
この快感を、ぼくは四十半ばにして、初めて知りました。
老廃物がきれいさっぱり流れ落ちて、身体の外側も内側も蘇るような感じ。
この気持ち良さがあるから、酷暑のウォーキングも甲斐があるってなもんで、
秋になって涼しくなると、ウォーキングには楽な季節とは思いつつ、
真夏の全身の細胞が活性化するような快楽を味わえなくなって、
少し物足りない気持ちにもなるのでした。
ま、そんなわけで、暑い時には暑い時にしか味わえないことを楽しみましょう、
ということで、タイミングよく見つけた納涼の1枚。
インドネシアは西ジャワのトゥンバン・スンダ。歌入りのカチャピ・スリンですね。
インドネシア伝統音楽の専門レーベル、SPレコードが出したCDで、
このレーベルのトゥンバン・スンダでは、タティ・サレのCDを1枚持っています。
今回手に入れたのは、タティ・サレよりひと回り若いイダ・ウィダワティのCD。
ひと回り若いといっても、イダ・ウィダワティは56年生まれ、
タティ・サレは44年生まれだから、二人とも大御所クラスのヴェテランです。
いつ頃出たアルバムなのか、よくわからないんですが、
おそらくゼロ年代半ばかと思われます。
タティ・サレのCDは伴奏が力量不足で、せっかくのタティ・サレの見事な歌唱に、
演奏が応えていないという不満があったんですけれど、こちらはいいですね。
タティ・サレのCDにはクレジットもありませんでしたが、
本作には、カチャピ・インドゥン、カチャピ・リンチック、スリン、ルバーブ全員の名が
記されていて、ちゃんと名のあるメンバーだということが想像されます。
落ち着いたイダの声と繊細な歌いぶりに、高原の涼風を伝えるスリンの音色、
深奥な夜に引きこむカチャピの響きが、汗の引いた身体に染みわたります。
スンダの伝統音階ソロッグ、ペロッグ、サレンドロを3曲ずつ歌ったレパートリーも、
変化に富んでいて、楽しめます。
その昔、若いニニン・メイダのトゥンバン・スンダのCDを愛聴しましたけれど、
イダの円熟味のある歌声は、西ジャワの貴族の嗜みとされた
トゥンバン・スンダの魅力を、たっぷりと味あわせてくれます。
Ida Widawati "TEMBANG SUNDA CIANJURAN / SEDIH PATI" SP SPCD027