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多民族共存を目指すイスラエル発アフラブ クォーター・トゥ・アフリカ

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Quarter to Africa.jpg

イスラエルからミクスチャー系グループが続々登場して、
立て続けに日本にやってくるとは、なんだかイスラエル、きてますねえ。
だいぶ前に話題を呼んだイダン・ライヒェルは、
ぼくは受け付けられなかったけれど、今度の波には乗れそうです。

9月にはイエメン系ファンク・グループのイエメン・ブルースが来日する予定で、
10月にはアフロ=アラブ・ファンク・バンドの
クォーター・トゥ・アフリカがやってきます。
イエメン・ブルースは、故マリエム・ハッサンをフィーチャーした曲に
心を揺り動かされましたけれど、今回取り上げるのはクォーター・トゥ・アフリカのほう。

14年にテル・アヴィヴのヤッファ出身の
サックス奏者とウード奏者の2人によって結成されたクォーター・トゥ・アフリカは、
サックス×2、トランペット×2、トロンボーン、ウード、キーボード、
ベース、ドラムス、パーカッションの10人を擁するビッグ・バンド。

日本盤が出るまで、ぼくもこのバンドのことをまったく知らず、
試聴させてもらって、そのフレッシュなサウンドにびっくり。
すぐさまネットで調べて、バンドキャンプにオリジナルのイスラエル盤をオーダーしました。
日本盤は紙ジャケでしたけれど、
イスラエル盤は普通のプラスチック・ケース仕様なんですね。

分厚いホーン・サウンドに支えられ、彼らが自称するアフラブ Afrab なる
アフロ=アラブ・サウンドが爆発する、ダンサブルなサウンドが快感。
イエメンのウードを核に、歯切れ良いダルブッカのビートがドラムスと絡みあい、
アフロ・ファンクなホーン・リフが畳みかけてきます。
演奏力の高さは相当なもので、タイトル・トラックでは世界的に注目を浴びる
ジャズ・ベーシストのアヴィシャイ・コーエンがゲストでベースを弾いています。

演奏力ばかりでなく、音楽性も豊かで、
6曲目ではホーン・リフがバルカン・ブラスを思わせるなど、
アフロ=アラブにとどまらない、南東ヨーロッパをも俯瞰したサウンドを聞かせていて、
彼らが広範なサウンドを目指していることがうかがえます。

はじめ試聴した時の、「おお! かっこいい!」という第一印象が、
オルケストル・ナショナル・ド・バルベス(ONB)のデビュー作とダブったんですが、
アグレブとアラブの違いはあっても、そのミクスチャー・センスは似ていますね。
違いといえば、ONBほどジャズ/フュージョンぽくなく、
ラガの要素がないことでしょうか。
ジミ・ヘンドリックスの“Voodoo Child” のカヴァーなど、
ジャズよりロック/ソウルのセンスを強くうかがわせるバンドで、
こりゃあ、ライヴが楽しみですねえ。

Quarter to Africa "THE LAYBACK" Quarter to Africa no number (2017)

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