レシーフェの男女6人の若者が09年に結成した、
サガランナというグループの14年デビュー作を手に入れました。
ノルデスチの沿岸部ゾナ・ダ・マタの民衆音楽であるココやカヴァーロ・マリーニョに、
レペンチスタと呼ばれる吟遊詩人が伝えてきた音楽を現代化しているグループです。
ここのところ、ノルデスチからの便りが途絶えていましたが、
キンテート・ヴィオラードやメストリ・アンブロージオといった先輩たちに続いて、
ノルデスチの豊かな芸能を継承する若手が、ちゃんと育っているんですねえ。
サガランナの音楽性も、まさにそのキンテート・ヴィオラードが持つフォーク・サウンドと、
メストリ・アンブロージオのロック感覚を受け継いでいて、
土臭いフォークロアを現代に生きるポップスとして昇華しています。
野趣な味わいはなく、すっきりとしたサウンドに仕上げているのは、
サンパウロの若手に通じるイマドキの若者のセンスでしょうか。
ドラムレスの打楽器主体の生音による伝統サウンドながら、
リズム・アレンジなどに、現代的な手さばきがしっかりと聞き取れますね。
ぎこぎこ鳴る田舎フィドルや鉄弦ギターの響きもこざっぱりとしていて、
すがすがしく聞けるアルバムです。
Sagaranna "VÉU DO DIA" no label no number (2014)