アフロポリタンが到達した最高傑作 バロジ
バロジ、でか! 190センチくらい、あるんじゃないの? 22日、代官山の会場(晴れたら空に豆まいて)の入口で、 ぼくの後ろに何気にご本人が立っていて、思わず腰を折って見上げてしまいました。 開演前に知人と、バンド連れてきてるのかな? ひょっとしてバロジ一人でカラオケだったりして、 なんて話をしていたら、ドラマーとギタリストを帯同とのこと。 あれまあ、ベースはいないのかと、やや気落ちしてたら、...
View Article伝説のエンボラードル メストリ・ガロ・プレート
「黒鶏」のニックネームを持つメストリ・ガロ・プレートこと、 トマス・アキノ・レオンが、81歳にして初レコーディングをした作品。 ガロ・プレートというと、ネルソン・サルジェントと縁の深いショーロ・グループが 思い浮かぶところですけれど、この人は、ノルデスチのココの歌い手です。 35年、ペルナンブーコ州アグレスチのキロンボの生まれ。 12歳でレシーフェへ出て、イモの行商をしながら、...
View Article受け継がれるノルデスチのフォークロア サガランナ
レシーフェの男女6人の若者が09年に結成した、 サガランナというグループの14年デビュー作を手に入れました。 ノルデスチの沿岸部ゾナ・ダ・マタの民衆音楽であるココやカヴァーロ・マリーニョに、 レペンチスタと呼ばれる吟遊詩人が伝えてきた音楽を現代化しているグループです。 ここのところ、ノルデスチからの便りが途絶えていましたが、...
View Articleサルサのフィメール・グループ カネーラ・デ・クーバ
キューバン・サルサ(サルサ・クバーナ)の女性グループだそうです。 89年結成というから、すでに20年近いキャリアがあるんですね。 うへぇ、そんなに歴史があるグループなのに、ぜんぜん知らなかったなあ(恥)。 Astral さんのブログ記事を読んで興味がわき、新作を買ってみたんですが、 一聴して、ポップ・テイストな音楽性に惹かれました。 昔大好きだったメレンゲのガール・グループ、...
View Articleポップ・センスが光るセンバのシンガー・ソングライター キャク・キャダフ
センバ新世代注目株の若手シンガー・ソングライター、 キャク・キャダフの新作が届きましたよ。 以前紹介したデビュー作から、3年ぶりとなるセカンド・アルバムで、 昨年12月16日にアンゴラでリリースされたもよう。 http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2016-10-03 全16曲すべて自作曲。 ギターで作曲しているとおぼしき作風ですけれど、バラエティ豊かで、...
View Articleキャク・キャダフの弟分、デビュー フィーリョ・ド・ズア
アンゴラのギター侍(?)みたいなジャケットの フィーリョ・ド・ズアことマティアス・ダマージオくんのデビュー作。 まだ21歳という若きシンガー・ソングライターで、 キャク・キャダフの弟的存在として注目を集めているみたいです。 ジャケットの背景に、高層ビル街とスラム街をコラージュしているのは、 歌の内容を反映したものなんでしょうか。社会派なのかな? メッセージの方はよくわからないんですが、...
View ArticleアンゴラのセクシーなR&Bシンガー セフ・タンジー
今回入手したアンゴラ新作3枚、最後の1枚はR&B。 センバやキゾンバといったアンゴラ色は皆無、 アダルト・オリエンテッドなR&Bが好きな人なら、トリコになることウケアイの1枚です。 セフ・タンジーことカルロス・フェルナンド・タンジーは、 サッカー選手を夢見る少年だったのが、 ミュージシャンだった二人の兄に後押しされて、歌手デビューしたという人。 13年のデビュー作“BOTÃO DE...
View Articleセシル・テイラーが星となった夜に クリス・デイヴィス&エリック・レヴィス
ニュー・ヨークのジャズ・シーンで、いまもっともクリエティヴなピアニストとして 注目を集めるクリス・デイヴィスが、ベーシストのエリック・レヴィスとともに来日。 4月5日、新宿ピットインへ観に行きました。いや、もう、最高でしたよ。 1曲目のアンドリュー・ヒルの曲から、低音域をゴンゴン鳴らして音塊を作りつつ、 中高音域で分散和音を自在に作り出していく、クールで理知的なプレイに、...
View Article50代半ばを迎えたポップ・アイコン、カイーミを歌う リオ
リオ? 80年代ニュー・ウェイヴ時代に話題を呼んだ、あのフレンチ・ロリータ? もちろん名前は知っているし、ヌード・ジャケットにも覚えがありますけど、 まったくの関心外の歌手で、じっさいに聴いたことはこれまでなし。 実はベルギーのシンガーで、生まれはポルトガルだったとは、今回初めて知りました。 そのリオの新作が、ドリヴァル・カイーミのカヴァー・アルバムというので、...
View Articleアフロ・ブラジレイロのジャズ的展開 シェニア・フランサ
アフロ・ブラジレイロ文化揺りかごの地バイーアから、 ブラックネスを前面に押し出した、大型新人のデビューです。 マルガレッチ・メネージス以来ですかね、こういうタイプのシンガーは。 インパクト大のジャケット(画像はブラジル盤、日本盤は全身写真です)に、 聴く前からワクワクしながら、プレイ・ボタンを押しましたよ。 いきなり冒頭から、バタが登場するという、ブラジルらしからぬ意表を突く展開。...
View Articleパレスチナ+スイスのジャジー・ヒップホップ カヤーン
バロジの新作にヤられたのが呼び水になったのか、 立て続けにヒップホップの面白いアルバムに出くわしています。 それもインドネシア、ブラジル、アラブという、 これまであまりなじみない土地のヒップホップばかりなんですが、 なかでもウナったのが、このパレスチナとスイスの混成ユニット。 パレスチナ人ラッパー3人と、スイス人女性歌手に、 スイス人ジャズ・ミュージシャン6人によるユニットで、...
View Articleパレスチナのオルタナティヴ タミル・アブ・ガザラ
カヤーンを入手したサイトのカタログには、普段なかなか聞くチャンスのない アラブのオルタナ系アーティストが並んでいて、興味をそそられました。 タミル・アブ・ガザラという人のアルバムがいくつもあるので調べてみたところ、 86年亡命パレスチナ人の両親のもとカイロに生まれ、 98年にパレスチナへ戻り、ラマラのエドワード・サイード音楽院で ウードとブズーキと音楽理論を学んだ音楽家とのこと。...
View Article歌の宝庫アバティーンシャーから アイオナ・ファイフ
声が立っている。 第一声を聴いただけで、才能に恵まれた歌い手だということが、すぐにわかります。 スコットランド北東部のアバディーンシャーから登場した、 アイオナ・ファイフのデビュー作。 まだハタチという若さで、その清廉な発声の粒立ちに、 ジュリー・ファウリスのデビュー時を思い起こしました。 アバティーンシャーといえば、バラッドの宝庫として知られる土地柄。...
View Articleマジカルなウッドストック・サウンド ジェフ&マリア
ジェフ&マリアの名作2枚が、ようやくアメリカ本国でCD化されました。 “POTERY PIE” はオリジナル・リリースから半世紀(!)、 “SWEET POTATOES” にいたっては、今回がアメリカでの初CD化です。 “POTERY PIE” は、かつてハンニバルがCD化しましたけれど、 緑がかったヘンな色合いのジャケットになっていたのが残念だったので、...
View Article宝探しゲームのアフリカン・ポップス ダイアモンド・プラトゥナズム
アフリカン・ポップスの魅力の座標軸が、移り変わりつつあるのかもしれない。 タンザニア、ボンゴ・フレイヴァの新人、 ダイアモンド・プラトゥナズムのデビュー作を聴いて、 鈍感なわが脳ミソも、その地殻変動にようやく気付きはじめました。 ボンゴ・フレイヴァは、タンザニアで生まれた、 アメリカのR&Bやヒップホップの影響を受けた音楽。...
View Article苦難が宿した激情 トニ・ブラクストン
14年のマイ・ベスト・アルバムにも選んだ、 トニ・ブラクストンとベイビーフェイスのデュエット・アルバムは、 「壮絶」の一語に尽きました。 http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2014-03-30 “Sweat” 終盤のフェイクの応酬は、もはや歌ではなく、セックスそのものだったし、 相手を傷付けながら謝り合う“Hurt You” は、...
View Article遅れてきたワールド・ミュージック志向のライ・シンガー ソフィアン・サイーディ
クラリネットがひらひらと東欧風メロディを紡ぐイントロで始まる、 今日びのライには珍しい、生演奏によるアルバム。 サックス、サズ兼ギター、シンセサイザー、シンセ・ベース、ドラムス、ダルブッカの 6人組バンド、マザルダを従えた、 ライ歌手ソフィアン・サイーディの2作目となる新作です。 ソフィアンは、シェブ・マミのかつての代名詞「ライのプリンス」をもじって、...
View Articleパリ発コンテンポラリー・ライ シ・カメル
もう一人、奇特なライ・シンガーがいたのを思い出しました。 こちらも古いオラン・スタイルのライを生演奏で聞かせる人で、 パリを拠点に活動している、かなり年配の歌手です。 アコーディオンとガスバに、たっぷりとした弦セクションをフィーチャーした、 オーセンティックなスタイルのポップ・ライをやる一方で、 サルサあり、ジャズあり、レゲエあり、グナーワあり、ヒップホップありと、...
View Articleキューバン・クレズマー ロナルド・フアン・ロドリゲス
ジョン・ゾーンのレーベル、ツァッディークから、 キューバ音楽のアルバムが出ていたなんて、知りませんでしたねえ。 ハバナ出身の作曲家でパーカッショニストのロナルド・フアン・ロドリゲスのアルバムが、 「ラディカル・ジューイッシュ・カルチャー」シリーズから、 4作出ていることに気づいたんですが、 そのうちの09年作“TIMBA TALMUD” が素晴らしいんですよ。...
View Articleイディッシュ・コメディ ミッキー・カッツ
ミッキー・カッツが素晴らしいクラリネット奏者であったことは、 90年代のドン・バイロンによる再評価で知ったクチですけど、 コメディアンとして一世を風靡したというカッツの歌は、その後だいぶたってから、 カッツのキャピトル盤LPをまとめて入手して、ようやく知りました。 このあたりの音源は、ほとんどCD復刻が進んでいませんね。...
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