MPBの良き伝統を感じさせるシンガー・ソングライターですね。
シコ・ブアルキやジョアン・ボスコ、ジャヴァンに、
ちょっとミナスぽい感じも加えたような作風で。
前にもこんな曲を書く人がいたな、誰だっけと考えて、
ペセ・カステイーリョを思い出しました。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2010-05-28
ジェントルな歌声やすがすがしいメロデイ・センスに、共通する資質を感じたんですが、
ジョン・ムエレールはミナスではなく、南部サンタ・カタリーナ州のブルメナウ出身。
なるほどドイツ人のような苗字は、
ドイツ系移民の都市ブルメナウ出身だからなんですね。
彼もドイツ系移民の子孫なんでしょう。
14年のデビュー作は聴いていませんが、
2作目となる本作は、ブルメナウの昔からの仲間のミュージシャンたちとともに、
サンタ・カタリーナ州都フローリアノーポリスでレコーディングしています。
アルバム制作のために、リオから音楽監督として招いたのが、
シコ・ブアルキのパートナーとしても知られる、
ヴェテラン・ベース奏者のジョルジ・エルデール。
ゲストに、ピアノのクリストヴァン・バストスや、
アコーディオンのブルーノ・モリッツのほか、
ギンガまで呼んだのは、ジョルジ・エルデールの采配でしょうねえ。
ギンガと2人の声・2本のギターで綴った“Na Linha Torta” は、
インティメイトな仕上がりで、アルバムのハイライトとなりました。
ブルメナウの澄んだ青空に吹き抜ける風を思わせるアルバムです。
John Mueller "NA LINHA TORTA" no label JM002 (2018)