ナイジェリア、ワカのトップ・シンガー、クイーン・サラワ・アベニの新作が届きました。
サラワ・アベニについては、コリントン・アインラと蜜月だった時代の
80年代の諸作がCD化され、前に記事にしましたけれど、
新作を聴くのはずいぶんひさしぶりです。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2016-09-21
『回復』というタイトルに、何かあったのかなと思ったら、
08年から体調が悪化し、6年間のブランクを余儀なくされていたとのこと。
なんの病気だったのかは、明らかにはされていませんけれど、
身体の麻痺で歩くこともできなくなっていたというのだから、かなり深刻だったようですね。
息子さんを亡くすなど、世紀をまたいでからトラブルが続いていたアベニですが、
復帰作となる本作では、長いブランクをものともしない、
パワフルな歌声を聞かせてくれます。
バックのパーカッション・アンサンブルも気合が入っていて、充実していますよ。
コリントン・アインラと別れてからは、
ワシウ・アラビ・パスマやセフィウ・アラオなどの支援を受けていたようなので、
本作のバックも、アラビ・パスマのバンドかもしれません。
ワカは、歌手とコール・アンド・レスポンスするコーラスも、
全員女性なのが通例ですけれど、
このアルバムでは男性陣がお囃子をしています。
全5曲、なかでも故シキル・アインデ・バリスターに捧げた曲では、
ゆったりとしたテンポで始まり、途中でリズムがスイッチして疾走していく構成で、
トーキング・ドラムが快音をあげています。
サックスなどが一部で入るものの、現在のフジのサウンドでは控えめな方で、
パーカッション・ミュージックの妙をたっぷりと味わえます。
Alhaja Queen Salawa Abeni "RECOVERING" Alagbada no number (2016)