Quantcast
Channel: after you
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1333

人生の痛みを癒すメロウ サー・チャールズ・ジョーンズ

$
0
0
Sir Charles Jones  The Masterpiece.jpg

おぅ! サー・チャールズ・ジョーンズの新作。
待ってましたっ、と飛びつこうにも、配信ばかりで、
CDがどこにも売っていないじゃないですか。
うわ~ん、と地団駄踏んでたら、
ダラスのちっちゃなオンライン・ショップで扱っているのを発見。
ようやっと入手できました。
インディ・ソウルも、だんだんフィジカルが入手困難になってきましたねえ。

14年の前作“PORTRAIT OF A BALLADEER” が胸に沁みる極上の出来でしたからねえ。
多事多難の苦しい日々を送っていた時に、サー・チャールズの苦み走った声に、
どれだけ助けられたことか。彼のヴォーカルにはブルースが滲んでいますよ。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2014-10-02

あのアルバムは、ウィリー・クレイトン肝いりのレーベル、エンドゾーンからのリリースで、
ウィリー御大も共演するバックアップも得た豪華なものでしたけれど、
今回は自主制作。ジャケットがいかにもインディなチープさで、
まあ、それなりのプロダクションならいいかと、期待値を下げて聴いてみたら、
予想をはるかに上回る出来で、ひょっとして、前作以上?
すっかり舞い上がっちゃいまいた。

「このアルバムはマスターピースだ」というMCに促されてスタートする今作、
タイトルは伊達じゃありませんでした。
この人のビッグ・マウスには、またか、と苦笑もするんですけれど、
しっかりとした実力が備わっているんだから、大したもんです。

今回も全編ミディアム~スロー。
カルヴィン・リチャードスン、オマー・カニングハムをフィーチャーして
3人が順にリードをとった“Cal On Me” は、
時代の生きにくさに抗えず、つまずいてしまった者に、
黙って肩を貸すような男のメロウさがあって、胸に沁みます。
その一方、アクースティック・ギターとシンセをバックに、
ソウル・マナーな歌いぶりを封印して、
ストレイトにメロディを歌った“100 Years” の温かさにも泣けますねえ。

ポーキー・ベアをゲストに迎えたブギー・ファンクあり、
ステッパーあり、ネオ・ソウルあり、多彩な曲調にさまざまな歌いぶりで迫る、
サー・チャールズ・ジョーンズの魅力が全開した傑作です。

Sir Charles Jones "THE MASTERPIECE" Southern King Entertainment no number (2018)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1333

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>