ジャケットのムードが、中身の音楽を暗示しています。
ケニー・バレルの名盤をひっくり返したタイトルにも、
ピンとくるものがあって、試聴してみたら、アタリでした。
ボルチモアのシンガー・ソングライター、J・ソウルことジャマル・スミス。
マルチ・プレイヤーでビート・メイカーでもあるという彼、
アンダーグラウンドのR&Bシーンで高い評価のある人だそうです。
本作は13年にデジタル・リリースした4作目で、
このたび未発表曲をラストにボーナス・トラックとして加えて、
フィジカル化が実現したんだそう。
イントロのレコード盤のチリ・ノイズに、メロウなキーボードがたゆたえば、
はやアルバム・コンセプトのツカミもオッケー。
続いて、ミュート・トランペットをフィーチャーした
スムースでジャジーなトラックに、もうトロトロです。
多重コーラスとファルセットにレイヤーしたキーボードが浮遊して、
シックな夜を演出します。
ネオ・ソウル/ジャジーヒップホップのもっとも甘美なサウンドを抽出して、
官能的な夜へ沈み込んでいくムードをすみずみまで落とし込んだ逸品、
ベッド・ルームでの使用にも重宝するかと。
J Soul "BLUE MIDNIGHT" B.S.M Productions no number (2013)