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ミャンマーの伝統曲1000プロジェクト

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BEST COLLECTION OF VOLUME 1.jpg

13年から井口寛さんがミャンマーで取り組まれているレコーディング・プロジェクトが、
ようやく公開の運びとなりました。

ビルマ人の伝統音楽1000曲を記録・保存するという壮大なプロジェクトで、
プロデューサーは、ヤンゴン国立文化芸術大学音楽学部長兼教授のディラモー。
74年生まれのディラモーは、ヤンゴン国立文化芸術大学の第一期生で、
03~06年には東京藝術大学で学び修士号を取得し、
13年からヤンゴン国立文化芸術大学音楽学部長兼教授に任命されるほか、
ギタ・キャブヤー音楽センター の音楽監督を務めながら、自身の作品も発表しています。

そのディラモーと井口さんがタッグを組んだ本プロジェクトから、
6月にまず111曲を公開し、今後段階的に発表して、
20年には1000曲のコレクションを完成させる予定だといいます。
このコレクションは、
ミャンマー・ミュージック・ネットワーク(MMN)がディストリビューターとなり、
CD制作、ネット配信、ストリーミングで広く発表することとなっていて、
その第一弾となるCDがこのほど完成しました。

CDには、発表された111曲中の11曲が収録され、
古典歌謡、流行歌謡、劇中歌、器楽曲(サイン・ワイン)、民謡、ナッ信仰の音楽といった
カテゴリーの、それぞれ重要なレパートリーが選ばれています。
次世代への継承を目的とした記録・保存プロジェクトは、
教育プログラムに利用することも念頭にあるのでしょうから、
選ばれた11曲は、ベスト・パフォーマンスというより、
レパートリーの重要度が優先されているんでしょう。

となれば、未収録の100曲が聴きたくなってしまいますねえ。
CDに収録された11曲のクオリティの高さを考えれば、
重要レパートリーでないものの、
もっとスゴいパフォーマンスが記録されているんじゃないかと想像をめぐらせてしまいます。
それくらい、この11曲の演奏水準、歌唱の高さは圧倒的です。、
フィーチャーされている男女の歌手も、滋味溢れるヴェテランから、
みずみずしい歌声を聞かせる若手まで百花繚乱。
『BEAUTY OF TRADITION』シリーズで日本盤も出たカインズィンシュエの清廉な歌には、
心が洗われました。

ジャズのセンイチならぬ、ミャンマーのセン(1000)・プロジェクト。
20年まで目が離せません。

V.A. "BEST COLLECTION OF VOLUME 1 : 1000 MYANMAR TRADITIONAL SONGS COLLECTION"
KMA & Diramore no number (2018)

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