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カルメン・ミランダでシャバダバ オルジナリウス

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Ordinarius  Notavel.jpg   Ordinarius  Rio De Choro.jpg

リオで08年に結成された男女混成ア・カペラ・コーラス・グループ、
オルジナリウスの3作目を数える新作は、
カルメン・ミランダの代表曲をカヴァーするという、
若者にあるまじき(?)酔狂な企画。
古いブラジル音楽好きには、大歓迎のアルバムであります。

クラウンドファンディングで制作された前作でも、
ピシンギーニャやヴィラ・ロボスのショーロや、
ノエル・ローザのサンバなどの古典曲から、
カルリーニョス・ブラウンやエドゥアルド・ネヴィスなどの現代曲まで取り上げて、
フレッシュに聞かせてくれた彼らならではの目の付け所でしょうか。

オルジナリウスの良さは、エンターテイメント精神に溢れていること。
ブラジルのコーラス・グループというと、
クアルテート・エン・シーがまず思い浮かびますけれど、
ときに不協和音も駆使して高度なハーモニーを聞かせるエン・シーとは違って、
オルジナリウスは、あくまでもポップなシャバダバ・コーラスで楽しませてくれます。

カルメンがもっとも輝いた30年代の代表曲
‘Adeus Batucada’‘O Que É Que a Bahiana Tem’ はじめ、
前作でもメドレーで取り上げていた大ヒット曲の‘Tico Tico No Fubá’ ほか、
渡米時代の映画の挿入歌‘South American Way’
‘I, Yi, Yi, Yi, Yi (i Like You Very Much)’も取り上げています。
‘O Samba E O Tango(サンバとタンゴ)’ を、
カルロス・ガルデルのタンゴ‘Por Una Cabeza’ とメドレーにしたアイディアも秀逸。

取り立てて凝ったアレンジをしているわけでなく、
原曲に忠実にハーモナイズしただけともいえるのに、
これほど理屈抜きに楽しめるのは、オリジナルのメロディがフレッシュで、
ぜんぜん古びていないからですね。
‘Tico Tico No Fubá’ なんて100年前の曲ですよ!?
ブラジル音楽の魅力の奥深さを、まざまざと思い知らされますね。

Ordinarius "NOTÁVEL" no label RB045 (2017)
Ordinarius "RIO DE CHORO" no label no number (2015)

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