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スウィンギン・アイリッシュ・フィドル ジェリー・オコナー

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Gerry O’Connor  LAST NIGHT’S JOY.jpg

もう一丁、とびっきり清廉な1枚を。
こちらはアイリッシュで、歌ものでなく、インスト演奏。
ラ・ルーやスカイラークの活躍で知られるフィドルの名手、
ジェリー・オコナーのソロ作です。
バンジョー奏者のジェリー・オコナーじゃありませんよ、念のため。

ジェリーほどの名手ながら、これが2作目というのも意外ですけど、
ソロ・アルバムはなんと14年ぶりというんだから、
寡作ぶりにも程があるというもの。

ジェリー・オコーナーは北部ラウス州のダンドーク出身。
母親のローズ・オコナーは、多くの演奏家を育てた
ラウスを代表するフィドル奏者で、ジェリーもローズからフィドルを仕込まれたんでした。
ジェリーの息子のドーナル・オコナーも優れたフィドル奏者で、
ギターも弾くほか、プロデューサーとしても活躍しています。
本作では、フィドル、テナー・ギター、ピアノを演奏していて、
プロデュースとミックスも手がけています。

最初に挙げた同姓同名のバンジョー奏者も参加して、
なんとも軽やかでスウィンギーなフィドルの名人芸を堪能することができます。
伴奏のピアノやギターがリズムを生み出すのではなく、
ジェリーのボウイングがこのスウィング感をもたらしているところが、スゴイですね。
ダンスせずにはおれないグルーヴ感いっぱいのプレイで、身体がむずむずします。
アイリッシュ・ダンスのステップを習いたくなりますねえ。

うきうきするリールやジグに、歌ごころ溢れる美しいエアのほか、
1曲米国産ポルカをやっているのも聴きものです。
ジェリーの軽妙なスタイルとすごくマッチしていますね。
ジャケットの暗い写真があまりに不釣り合いな、
春の光を想わすすがすがしいアルバムです。

Gerry O’Connor "LAST NIGHT’S JOY" Lughnasa Music LUGCD966 (2018)

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