う~ん、カッコいい。
このカッコよさがどこから来てるのか、ちゃんと知りたくなりますねえ。
スレンテンが流行したあたりからレゲエ離れしてしまって、はや30年以上。
ダンスホール・レゲエ以降のレゲエの歩みをぜんぜんわかっていない、
完全なるレゲエ門外漢なんであります。
ちょうど1年前、ジェシー・ロイヤルの初アルバムを聴いて、
ルーツ・レゲエのリヴァイヴァルを実感したわけでしたけれど、
カバカ・ピラミッドというこの人もまた、ラスタ・リヴァイヴァル・ムーヴメントの
アーティストのひとりなんだそうで、一聴してグッと胸をわしづかみにされました。
70年代レゲエのヴァイブを、そのまま引き継いでいるジェシー・ロイヤルとは
少し違った個性の持ち主で、そのスタイルにはダンスホール以降の要素が
ふんだんに取り入れられているのを感じます。
そうしたスキルをルーツ・レゲエのマナーでやっているという印象なんですけれど、
そこらあたりの魅力について、誰か詳しい人、ぼくにレクしてくれないかしらん。
DJの節回しを歌に取り入れた唱法が、むちゃくちゃカッコよく、
こういう唱法を、シングジェイというのだということも、今回初めて知りましたけれど、
こういうスタイルはヒップホップの影響なんでしょうか。
もともとヒップホップは、ジャマイカのDJカルチャーの影響下で生まれたものですけれど、
このシングジェイというスタイルは、ヒップホップ由来のニュアンスが強く、
ジャマイカのDJカルチャーが独自に発展したというより、
アメリカへ飛び火したヒップホップからのフィードバックのように感じます。
リディムもヒップホップのリズムだしねえ。
もともとラップに近いスタイルを持っていた伝統芸が、
ヒップホップからの影響を受けて、現代的にリフレッシュメントした例に、
セネガルのタスがありますけれど、ここで聞けるシングジェイにも、
それと同じものを感じるんですよね。
レゲエやヒップホップがユニバーサルな音楽となってすでに久しく、
世界各地のフォークロアと結びついて、新たな魅力を生み出す一方で、
オールド・スクールなスタイルに回帰して、またオリジナルとは違った
別の魅力も生み出しているんですね。
そんなことを感じさせられた、カバカ・ピラミッドのアルバムでした。
Kabaka Pyramid "KONTRABAND" Ghetto Youths International/Bebble Rock Music no number (2018)