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60年代シングル時代のアパラ カスム・アディオ

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Kasumu Adio & His Apala Group   ORIKI IBEJI.jpg

おぉ、カスム・アディオのCDが出た!
なんて喜ぶ日本人は、ぼくくらいのものでしょうけれど、
アインラ・オモウラ登場以前、ハルナ・イショラの全盛期だった
60年代末から70年代に人気を集めたアパラのシンガーです。

ハルナ・イショラと同郷のイジェブ=イボ出身で、
19年生まれのハルナ・イショラよりは、だいぶ若い28年の生まれ。
24年生まれのリガリ・ムカイバと競い合いながら、
ハルナ・イショラ独走のアパラ・シーンをにぎわせた歌手の一人です。
https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07

41年にプロ歌手となり、48年に初録音、
デッカから69年に出したシングル‘ORIKI IBEJI’(WAX135)がヒットし、
このシングルが本CDに収録されています。
LP時代のようなA・B面2トラックではなく、短めの6トラックが収録されているので、
おそらくシングル盤3枚をCD化したものじゃないでしょうか。
CDには‘In the 60's’ の文字も見えますから、
おそらく同時期の60年代末に出たものと思われます。

Kasumu Adio & His Apala Group.jpg   Yoruba Street Percussion.jpg

この人のレコードは手に入りにくくて、ぼくも10インチとLP1枚しか持っておらず、
LPの方は手放してしまいました。たしかLPの方は、
演奏が退屈だったような記憶が残っていますけれど、
このCDと一緒に入ってきた『第5集』がやはりLP時代の復刻で、
トーキング・ドラムほかパーカッション・アンサンブルにメリハリがなく、単調でしたね。
60年代のシングル時代の録音の方が良かった人なのかもしれません。
この時期のものとしては、オリジナル・ミュージック盤
“YORUBA STREET PERCUSSION” でカリムの曲を2曲聴くことができます。

重厚で威厳のあるハルナのいぶし銀の声とも、
からっとした枯れた味わいのリカリ・ムカイバの声とも違う、
クールで苦味の少ないカスムのヴォーカルは、クリーンなハリのある声で、
また違った味わいのアパラを聞かせます。
歌と囃子の合間に割って入ってくるトーキング・ドラムや、
各種パーカッションのフィルも絶品です。
アギディボがごんごん、ぐいんぐいんと、
アンサンブルを低音部からグルーヴさせていて、ゾクゾクしますよ。

Kasumu Adio & His Apala Group "VOL.1: ORIKI IBEJI" Afrodisia (Nigeria) WAPS114
[10インチ] Kasumu Adio and His Apala Group "KASUMU ADIO AND HIS APALA GROUP" Decca WAL1062
v.a. "YORUBA STREET PERCUSSION" Original Music OMCD016

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