レザヴォアを愛聴しているところに、また嬉しいジャズ新作が届きました。
今度は話題の南ロンドンから登場した新グループ。
ブリストル育ちのピアニスト、レベッカ・ナッシュが率いるアトラスのデビュー作です。
きらきらとした鍵盤のネオ・ソウル的な音感で誘いながら、
やがてうねるようなドラミングによって、雄大なサウンドスケープを生み出していく
アンサンブルが聴きもののグループですね。
マット・フィッシャーのしなやかで軽快なスティックさばきと、
前へ前へと推進していくエネルギーのあるドラミングが、がっしりとした骨格のある
バンド・サウンドを組み立てていますよ。
レベッカ・ナッシュはブリストルで育っただけに、
マッシヴ・アタックやドラムン・ベースに影響を受けたというのもうなずけるんですが、
‘Tumbleweed’ の細かくビートを割っていくドラム表現など、
生のドラムンベースとも受け取ることもできそうな気もするなあ。
中盤のサラ・コールマンのヴォーカルがフィーチャーされる曲は、
ジョニ・ミッチェルとイメージがダブったりしますよ。
トランペットのニコラス・マルコムとレベッカのエレクトリック・ピアノの絡みが、
エディ・ヘンダーソンとハービー・ハンコックを思わせるところもあり、
アトラスには、70年代前半のクロスオーヴァー・サウンドに、
ドラムンベースを合体させたような魅力がありますね。
エレクトロニクスも交えたハードなインプロヴィゼーションを展開するラスト・トラックまで、
聴き応え満載の作品です。
Rebecca Nash and Atlas "PEACEFUL KING" Whirlwind Recordings WR4748 -2019-