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インド洋と東アフリカ沿岸の文化混淆音楽 ボイナ・リジキ&スビ

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Boina Riziki Et Soubi  BWENI MARIE.jpg   Boina Riziki & Soubi  Chamsi Na Mwezi.jpg

サリム・アリ・アミールのアルバムにフィーチャーされていたスビは、
ボイナ・リジキとのコンビで知られている人。
このコンビのアルバムでは、ターラブ研究で有名な民族音楽学者の
ウェルナー・グレブナーが制作したドイツのディジム盤がありましたけれど、
スタジオ1からもCDを出していたんですね。

マダガスカルのマルヴァニと同じ起源の箱琴ンゼンゼを弾くスビと、
イエメンのガンブースと起源を同じくする5弦楽器ガブシを弾くボイナ・リジキは、
ともにモヘリ島出身の伝統音楽家。97年にグランド・コモロ島のモロニで偶然に出会い、
モーリシャスやレユニオンのカヤンブと同型のシェイカー、
ムカヤンバを振る奏者を加えて活動を始めます。
その年にレユニオンで開かれた音楽祭で話題となり、
翌98年にスタジオ1でサリム・アリ・アミールのもと制作されたようです。

ディジム盤のライナーをあらためて読み直してみたところ、
このアルバムもスタジオ1でサリム・アリ・アミールがレコーディングしたもので、
著作権はスタジオ1にあり、
ディジムがライセンス契約で出したものだったことがわかりました。
両方のアルバムの曲目を眺めてみると、スタジオ1盤収録12曲中6曲が、
ディジム盤で再演されています。

2作にさほど違いはなく、両方のアルバムとも1曲目となっている‘Hamida’ が、
ディジム盤の方ではテンポが速く、歌のキーも上がっているくらいのものでしょうか。
イエメンではとうの昔に失われた古いガンブースが奏でる
コモロ伝統のンゴマやンゴドロのメロディは、アラボ・アフロな趣がいっぱい。
二人の強烈に泥臭いヴォーカルも味わい深く、ハチロクのグルーヴともども、
インド洋と東アフリカ島嶼部の今昔の音楽がないまぜとなっているのを感じます。

Boina Riziki Et Soubi "BWENI MARIE" Studio 1 BRS98
Boina Riziki & Soubi "CHAMSI NA MWEZI" Dizim 4503 (1999)

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