![Ihsan Al Munzer BELLY DANCE DISCO.jpg](http://bunboni58.c.blog.ss-blog.jp/_images/blog/_17d/bunboni58/Ihsan20Al20Munzer2020BELLY20DANCE20DISCO.jpg)
ビキニの女のコ(白人)が、浜辺でギターを手におどけたポーズをとるジャケット。
南米コロンビアあたりのレコードかと思いきや、
これがアラブのレコードだというのだから、オドロキ。
「ベリー・ダンス・ディスコ」なんてタイトルが、これまたパチもん臭い。
いかにもモンド盤(もう死語か?)くさいルックスなんだけど、
何か呼ばれるものがあってサンプルを聴いてみたら、これがなかなか面白い。
70~80年代にレバノンのポップス・シーンで、
作編曲家として活躍したイーサン・アル・ムンジール。
もともと60年代の頃から、ロックンロールの洗礼を受けてバンド活動を始め、
内戦時代にはイタリアで6か国語を駆使するピアノ弾き語りのワン・マン・ショウをしたり、
北欧でビート・グループを組んで活動していたという経歴の持ち主で、
70年代末になってレバノンへ帰国したと解説にあります。
その後、フェイルーズのオーケストラの一員に加わり、
アメリカ、オーストラリア、エジプトをツアーするほか、
ラギーブ・アラメ、マジダ・エル・ルーミー、ジュリア・ブトロスなど、
レバノンの人気歌手のアレンジャーとして引っ張りだことなり、
マエストロと呼ばれるまでになりました。
そんな当時、イーサン専属のスタジオにプロフェットを導入すると、
イーサンはそのシンセ・サウンドにのめりこみ、
アラブ歌謡に欧米のビート感覚を取り入れる企画を思いついたのだそう。
それがこの「ベリー・ダンス・ディスコ」になったわけですね。
イーサンの初アルバムとなった本作は、
アラブ歌謡の祖サイード・ダルウィッシュの曲や、
ファリッド・エル・アトラッシュ作曲のアラブタンゴ、
ラハバーニ兄弟作曲のアラブ歌謡に加え、アルメニア民謡や
トルコの「ウシュクダラ」など、アラブ周辺の音楽もレパートリーにしています。
イーサンは、ピアノにオルガン(どちらもカワイ製)、ソリーナ、ベースを弾き、
ドラムス、エレクトリック・ギター、カーヌーン、
バイオリン、ネイほかパーカッションの6人で演奏しています。
サウンドはタイトルがいうほどディスコ調ではなく、
アラブ歌謡をシンセでソフト・ロック化したといったところでしょうか。
さすが当時のアラブ歌謡の最前線で作編曲の腕をふるっていただけあって、
そのサウンドづくりは巧みで、パチもんの第一印象は吹き飛んだのでした。
Ihsan Al Munzer "BELLY DANCE DISCO" A. Chahine & Fils/Voix De L'Orient/BBE BBE528ACD (1979)