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ジャズ・ミネイロのシンガー・ソングライター レオ・リベイロ

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Leo Ribeiro  PAISAGEM.jpg

これはもう、パット・メセニー・グループの再来といっていいでしょうね。
“FIRST CIRCLE” から“LETTER FROM HOME” に至る、
80年代のメセニー・グループの作品に惚れ込んでるファンなら、
どストライクのアルバムでしょう。

レオ・リベイロという、ミネス出身のシンガー・ソングライターの自主制作盤です。
オープニングから、いかにもミナスなメロディが出てきて、
ジャケットのアートワークそのものの、清涼な空気に包み込まれます。

すでに30年以上のキャリアのある人だそうで、
キャリアのスタートが、PLIC というプログレ・バンドだったというのが面白い。
一方で、クラシック・ギターを、ミナスのレオポルディナにある名門
リア・サルガド国立音楽院で学んだとのこと。
そんなアカデミックなバックグラウンドを持つものの、
ナイトクラブやショウやイヴェントなど、もっぱら裏方の仕事をしていたようです。

長年書きためてきたという作品の完成度は高く、スケール感のある楽曲とともに、
のびやかに歌うレオのヴォーカルのみずみずしさも、格別ですね。
案の定というか、パット・メセニーとライル・メイズにオマージュを捧げた曲もあります。

そしてバックを務めるのが、ミナスを代表するジャズ・ベーシスト、
ドゥドゥ・リマ率いるトリオで、こりゃあ最高じゃないですか。
ドゥドゥ・リマ・トリオはミルトン・ナシメントとの共演でも名を上げた、
ジャズ・ミネイロのグループで、パット・メセニー・グループやトニーニョ・オルタの
サウンドスケープを再現するのに、もってこいのグループです。

ミナスの抒情溢れるコンポジションに、テクニカルなジャズ表現のバランスもよく、
ドゥドゥ・リマの縦・横両使いのベースの絡みや、鍵盤奏者のプログラミングなど、
ジャズとしての聴きどころも満載です。
終盤、クラシック・ギターの腕前を披露するギター・ソロもあります。

無名の人なれど、自主制作で、こんなハイ・クオリティのアルバムが
しれっと出るところも、スゴイよなあ。
パット・メセニー・グループのファンでもなければ、
いわゆるミナス派にあまり食指を動かさないぼくも、トリコとなった逸品です。

Leo Ribeiro "PAISAGEM " no label no number (2019)

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