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生粋の裏山サンビスタのデビュー作 ミンゴ・シルヴァ

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Mingo Silva  ARTE DO POVO.jpg

これぞサンバ節!
サンバの粋がぎゅっと詰まった絶妙な節回しに、背中のゾクゾクが止まりません。
ヴェーリャ・グァルダと遜色のないコクを湛えた歌いぶりが、もうたまらーん。

歌っているのは、50歳にしてデビュー作を出したミンゴ・シルヴァ。
モアシール・ルス率いるサンバ・ド・トラバリャドールで歌ってきた人だそうで、
キャリア十分なサンビスタですね。
節回しこそディープなサンバの味わいを湛えているものの、声には甘さもあって、
ダンディなマランドロ気質もうかがわせるところが、またいいんだな。

サンバ作家のデビュー作を飾る、
ビスコイト・フィーノの力の入れようも申し分なく、最高の伴奏陣を揃えていますよ。
アレッサンドロ・カルドーゾ、リルド・オーラ、パウローン、カルリーニョス、
ラファエル・ドス・アンジョスと5人もの名アレンジャーを使い分け、
キレ味抜群の演奏は、伝統サンバでこれ以上のものはないでしょう。

ミンゴ・シルヴァが書くサンバは、親しみのあるポップなセンスに富み、
♪ ララヤラ~ ♪ コーラスも出てきます。
自作曲以外では、インペリオ・セラーノを代表する
サンバ作家イヴァン・ミラネースの‘Boiadeiro Navizala’ を取り上げていて、
ノルデスチの牛追いが吟じる即興詩アボイオをアコーディオン伴奏で聞かせてくれます。

ゲストでは、ニコラス・クラシッキが1曲ヴァイオリンを弾いていて、
見事にサンバ訛りのソロ・ワークをとっていて、ウナらされました。
そのほか親分のモアシール・ルスに、
ゼカ・パゴヂーニョも歌声を聞かせ、華を添えています。
歌詞カードを開くと、カルトーラとジカが窓辺にたたずむ、マルクス・ペレイラの
レコード・ジャケットで有名な写真を絵にしているなど、
ジャケットともども、リオの裏山の日常を描いたアートワークがステキです。

Mingo Silva "ARTE DO POVO" Biscoito Fino BF649-2 (2020)

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