イン・コモンの新作と一緒に送られてきたCD。
どうやら、発送トラブルのお詫びのようです。
バンドキャンプでオーダーすると、オマケのCDが送られてくることがよくあって、
最低価格でしか買ったためしがないので、いつも恐縮してしまうんですけれど、
さすがに今回は、恐縮する必要ないか。
そのCDは、レーベル・オーナー、マイケル・ジャニッシュの新作。
ニュー・ヨークで活動していたベース奏者マイケル・ジャニッシュは、
イギリス人女性と結婚したのを機にロンドンへ移り住み、
このインディ・レーベルを立ち上げたんでしたね。
いまやホワールウィンド・レコーディングスは、
沸き立つUKジャズ・シーンの一躍を担っています。
本作は、アメリカ人ミュージシャンと一緒にレコーディングしたベーシック・トラックに、
イギリス人ミュージシャンがオーヴァーダブした、大西洋横断セッションになっています。
アメリカ勢は、ジェイソン・パーマー(tp)、ジョン・オギャラガー(as)、レズ・アバシ(g)、
クラレンス・ペン(ds)にマイケルの5人で、イギリス勢は、ジョン・エスクリート(key)、
ジョージ・クロウリー(ts)、アンドリュー・ベイン(ds, per)の3人。
ジャニッシュは、1曲の中でタテ・ヨコの両ベースを使うこともあり、
ミニマルな反復を繰り返しながら、シームレスにベース・ラインを紡いでいます。
マテリアルは、クラレンス・ペンのヴァーサタイルな才能を発揮するのにもってこいといえ、
コンテンポラリー、ポスト・ロック、フリーと
自在に叩き分けるドラミングが、すこぶる快調ですよ。
そして、レズ・アバシがリフやソロで繰り出す、
幾何学的なリックにも耳をそばだてられますねえ。
変拍子ジャズ好きには、たまらないアルバムです。
Michael Janisch "WORLDS COLLIDE" Whirlwind Recordings WR4742 (2019)