えぇぇ! ケラーニの新作、CDが出てるじゃない! い・つ・の・ま・に。
アマゾンで偶然に発見し、あわててポチリました。
配信オンリーで、チッ、とか舌打ちしていた作品も、
のちのちフォローしておかないと、こういうことがあるのかあ。
うわぁ、メンドくさいなあ。
はじめっから、配信もCDもアナログも全部出しとけよ、まったくぅ。
夏前に新作のサンプルを聴いて、こりゃいいと小躍りしてたので、
配信のみと知った時は、がっかりしたもんです(最近、こんなんばっかり)。
で、届いたCDを見てみれば、なんとディスクがCDRなのに、びっくり。
おいおい、レーベルは天下のアトランティックだぜ。インディじゃあるまいし。
モノの作りがどんどん粗雑になっていく世の中に、もうタメ息も出ないよ、はぁ。
そんなブルーな気分にぴったりと寄り添ってくれそうな、
憂鬱な気分にまみれた、ケラーニの新作です。
前作とはだいぶ印象が異なるというか、
大評判となった前作に反応できなかった当方としては、
今作の内向きのダウナーなサウンドの方に、ぐいっと惹きつけられます。
クールでエモーショナルな独特のサウンド・スケープは、
今作で共演をしているジェネイ・アイコとも親和性がありますよね。
ジェイムス・ブレイクとの共演曲もあるところなんて、
ロマンティックなエレクトロ好きのハート直撃でしょう。
ケラーニの芯のある甘い声が、ダークなサウンドによく溶け合います。
COVID-19のパンデミックがもたらした憂鬱な感情は、
きらめくような明るさを押しつぶし、ケラーニに成熟と妖艶を与え、
インティメイトなトラップ・ソウルという立ち位置を、より明確にしたように思えます。
Kehlani "IT WAS GOOD UNTIL IT WASN’T" Atlantic 075678648748 (2020)