モダン・センバのごひいきシンガー、エルヴィオの新作を入手しました。
2000年代に出た2作を聴き倒したものの、
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2015-10-19
その後音沙汰がなくて、どうしているのかと思っていたんですが、
18年に新作が出ていたんですね。
エルヴィオといえば、なんといっても、この声ですよ。
やるせないメロディを、しゃがれたビターな歌声で歌われた日には、
もう身をよじって、枕を濡らすしかないみたいな。
2000年代の2作は、アクースティック・ギターを中心に、
オーガニックなサウンドを聞かせていましたけれど、
新作はエレクトリック寄りのサウンドになって、
ロックやヒップ・ホップのニュアンスを加味したトラックが目立つようになっています。
それでも、この人らしい哀歓たっぷりのソングライティングや、
ディカンザが刻むリズムや特徴的なコンガのセンバ由来のビートが、
アルバムのすみずみまで発揮されていますね。
キゾンバとミックスされたリズム・トラックも多く聞かれますけれど、
アコーディオンの響きがセンバの色合いを濃くしています。
シークレット・トラックの多重録音(?)のア・カペラも気が利いた演出。
一カ所、謎に思ったのが、2曲目‘Meus Amigos’ の最後に、
琴と篠笛がちらりと出てくるところ。
クレジットには何も書かれてませんが、サンプリングなのかな。
日本人の耳には、すごく引っかかりを残します。
Hélvio "BAIA DOS AMORES" no label no number (2018)