タブー・レイ・ロシュロー、フランコの楽団で名を馳せた
ルンバ・コンゴレーズ黄金時代の名歌手サム・マングワナの新作!
うぇ~い、いったい何年ぶり?
03年の“CANTOS DE ESPERANÇA” 以来だというのだから、ビックリです。
若いアフリカ音楽ファンだと、サム・マングワナ、誰それ?という人がいるかも。
代表作として、フランコ楽団時代の名盤中の名盤を飾っておきましょうか。
左がマングワナ、右がフランコ。二人の友情が伝わる名ジャケットですよ。
なんでもマングワナは、04年に母親の祖国である
アンゴラに居を移して活動していたのだそうで、
このアルバムも、アンゴラで16年に出したものだそう(う~ん、見たことないゾ)。
アンゴラ現地での評判もよく、世界的なセールスも期待できるということから、
あらためてフランスから世界に向けてリリースしたんですと。
マングワナは今年で75歳。
録音当時は、70歳を越えたかどうかというところでしょうか。
さすがに歌声は枯れてはいるとはいえ、いや~、音楽は芳醇そのものですよ。
オールド・ルンバに目のないファンなら、たまらないアルバムですね。
サウンドをひとことで言えば、ケケレですね。
そう、コンゴ音楽黄金時代のリヴァイヴァルを意図して企画されたプロジェクトです。
コーラスのウタ・マイにニボマ、ギターのシラン・ンベンゼという、
ケケレの主要メンバーが勢揃いしています。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2019-08-09
ウタ・マイはマングワナの母方のいとこだし、
ニボマはマングワナのキンシャサ時代に、子供の頃から知っている間柄なのだから、
マングワナにとっては、旧知のメンバーなんですよね。
1曲目の‘Juventude Actual’ はルンバではなく、アンゴラらしい泣きのラメント。
フランスのミュージック・ジャーナリストは、バラードと味気なく形容していますが、
こういう曲はラメントと表現してほしいですね。ポルトガル語で歌っているところが、
アンゴラのマナーであることの証明じゃないですか。
クレオールの香り高いこの曲では、なんとマヌ・ディバンゴが、
タンギングを利かせたアフリカン・マナーのソロを聞かせてくれます。
そして2曲目以降は、マングワナらしいオールド・ルンバの世界が繰り広げられます。
スークースやンドンボロなどとは、もちろん別世界。
古っ!とお思いの方は、どうぞご退出ください。
2曲目の‘Felicité’ は、
ルンバ・コンゴレーズの始祖ともいえるグラン・カレのカヴァー。
オリジナル・タイトルの‘Parafifi’ は、以下の名編集盤で聴くことができます。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2013-11-24
キューバ人ベーシストのルイス・マンレサが参加していて、
ラテン・タッチのピアノや、フレンチ・カリブ音楽のエッセンスも混ぜて、
優雅なルンバを堪能させてくれる一枚です。
Sam Mangwana "LUBAMBA" Editer à Paris/Music Development Company MDC027 (2021)
[LP] Franco et Sam Mangwana Avec Le T.P.O.K. Jazz "FRANCO ET SAM MANGWANA AVEC LE T.P.O.K. JAZZ"
Edipop POP017 (1982)