![Ria Amelia Buka Dikit Joss.jpg](http://bunboni58.c.blog.ss-blog.jp/_images/blog/_17d/bunboni58/Ria20Amelia2020Buka20Dikit20Joss.jpg)
すんごい歌のウマい人と、ずいぶん昔に感嘆した覚えのあるリア・アメリア。
そのきっかけはポップ・ミナンのアルバムでしたけれど、
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2010-12-28
その名前もすっかり忘れかけていたところ、リアのダンドゥット・アルバムを入手しました。
もともとリアはダンドゥット歌手だったらしく、むしろジャカルタ出身のリアが、
なぜミナンカバウ語でポップ・ミナンを歌うようになったのか、
気になるところではあります。
さて、今回入手したのは14年のアルバム。
マレイシアのミュージックランドは、いまやVCDが主流で、
ほとんどCDを作らなくなったので、これはかなりレアなアルバムじゃないでしょうか。
いやぁ、それにしても、リア・アメリアの歌唱力はバツグンですねえ。
コケティッシュな歌いぶりに、息づかいで妖艶なシナを作り、男を惑わす歌いぶりは、
まっことダンドゥット・シンガーの証し。イッケ・ヌルジャナーをホウフツとさせます。
中高音の豊かな声域を自在に駆使していて、軽く歌っているようでも、
腹式呼吸を使った発声はパワフルで、往年のエルフィ・スカエシを連想させます。
コブシ使いの上手さは、シティ・ヌールハリザとダブって聞こえるくらいだから、
いかにリアの歌唱力が高いか、わかろうというもの。
打ち込み主体のプロダクションながら、
ピアノのリフ、スリンのオブリガード、ガムランの音色など、
ダンドゥットらしいお約束のサウンドをあちこちに散りばめつつ、
ヒップ・ホップ感覚に富んだ下世話なエレクトロ・サウンドで、
現地ディスコの需要に応えています。
サブ・タイトルにもあるとおり、これが「ハウス・ダンドゥット」なんだそうですけど、
これのどこがハウスなんだか。
流行り物にはなんでも食いつくインドネシア人のやることだから、
ハウスが何かも知らずに、名前だけかっさらってきたんでしょうねえ。
こういう臆面のなさこそ、下層大衆音楽の面目躍如じゃないですか。
思えばこういうサウンドって、ハウスのようなクラブ・サウンドなどではなく、
90年代のマレイシアで流行したデジタル・ダンドゥットに近いですね。
マス・イダユ、アメリーナ、ファラ、ロサリーナなんて歌手たちがぶいぶいいわせてた頃。
う~ん、懐かしいなあ。また聴き返してみるかな。
![Ria Amelia Bang Edo.jpg](http://bunboni58.c.blog.ss-blog.jp/_images/blog/_17d/bunboni58/Ria20Amelia20Bang20Edo.jpg)
リア・アメリアの本作は、「ハウス・ダンドゥット第2集」だというので、
第1集もあるのかとミュージックランドのカタログをチェックすると、
08年に出ていて、ちゃんとCDも作られているので、早速取り寄せました。
14年作の方がプロダクションは向上していますが、リアの歌いっぷりは見事。
リズムへのノリ、キレの良さは両作とも申し分ありません。
今のダンドゥット・シーンでは、この人が最高なんじゃないの。
Ria Amelia "BUKA DIKIT JOSS: BEST HOUSE DANGDUT VOL.2" Insictech Musicland 51357-77572 (2014)
Ria Amelia "BANG EDO: BEST HOUSE DANGDUT" Insictech Musicland 51357-69342 (2008)