20世紀初頭とおぼしき古色蒼然としたジャケット写真に目が釘付け。
ライナーにも古写真が満載で、素性知れずのCDだったんだけど、えいやっとお持ち帰り。
これが大当たり! とびっきりフレッシュなMPBで、ひゃっほー。
いやあ、ここ十年以上、
これほどストレートなポップ・ロックのMPBにお目にかかれなかったなあ。
カポエイラのメストリの称号を持つパーカッショニストが率いるグループで、
パーカッション×2、トロンボーン、ギター、ベース、カヴァキーニョの6人編成。
ルイス・ゴンザーガとウンベルト・テイシェイラの“Baião” に始まり、
ジョルジ・ベン・ジョール、ジルベルト・ジル、バーデン・パウエル、ドリヴァル・カイーミの曲のほか、
メンバーによるオリジナル曲をやっています。同郷のルーカス・サンタナの曲もありますよ。
エレクトリック・ギターの鳴りや、シンプルなロック・ビートのセンスなど、
そこかしこに70年代MPBを思わせるサウンドが散りばめられていて、
すがすがしいといったらありません。
そこに、するっとラップがフィーチャーされたりして、
ヒップホップを通過した若者であることは、ちゃんとわかるんですけれど。
中盤でフックの利いたサンバ・ロック/ソウルが連続するところなど、
こりゃあ、ジッとなんかしてられませんよ。腰にキますねえ。
メンバーでゆいいつ黒人のトロンボーンのブロウがワイルドで、
このグループのサウンドのカナメとなっていますね。
アフロ・ファンクなインストあり、バイーア・ロックあり、
いずれも親しみやすいメロディ満載、わかりやすさ100パーセントのMPB。
これ聴いていたら、なんか最近のMPBって、
知的すぎて面白くなくなっちゃってるんじゃないかとも思えてきます。
Ladodalua "LADODALUA" Tratore no number (2015)