サイケデリック・トランス・タランテッラ! かっちょいいー。
このタイトルに、ジャケットがケーブルの繋がったパンデレータときちゃあ、
聴かないわけにはいかないでしょう。
南イタリア、サレント地方出身の6人組グループのカラシマ。
アルバムはこれが2作目だそうですけれど、すでに15年以上の活動経歴を持ち、
イタリア内外で活発にコンサートを展開しているとのこと。
海外の音楽フェスやイヴェントにもひっぱりだこのようです。
調べてみたら、なんと昨年の6月に来日していて、
東京、大阪、博多でコンサートをやっていたんですね。
イタリア文化会館主催の無料コンサートだったそうで、うわー、残念、観たかったなあ。
エレクトロ仕立てのギンギンのタランテッラが飛び出してくるのかと、
いささか身構えていたら、想像していたようなクラブ仕様のサウンドではなく、
生演奏主体のアクースティックなサウンドとなっていて、ほっ。
サイケデリックでもなければ、さほどトランシーでもなく、
タイトルに偽りありな仕上がりは、むしろぼく好みのサウンドといえます。
トラッドなタランテッラをベースとしながら、
バルカン音楽やクレツマー、アイルランド音楽の要素を取り入れた
ミクスチャー・サウンドを作り出していて、エレクトロな要素は味付け程度となっています。
タイトルどおり、タランテッラのトランシーな部分に着目して、
打楽器とコーラスのコール・アンド・レスポンスに電子音楽的な処理をしてみても、
面白い作品ができそうですけれど、このグループの個性は、ミクスチャーの方にあるようです。
レパートリーもダンサブルなタランテッラばかりでなく、歌曲もあり、
曲ごと多彩なゲストを迎え、カラフルな南欧ミクスチャー・サウンドを楽しませてくれます。
Kalàscima "PSYCHEDELIC TRANCE TARANTELLA" Ponderosa Music & Art CD126 (2014)