レコ掘りは足で稼げ、とはよく言われたことですけれど、
海外通販のサイト探しに、そんな体育会系な泥臭い根性は必要なく、
少し気の利くオツムがありゃ、オッケー。
検索スキルがモノをいう世界でありました。
どうやってこういうお店を見つけるんですかと、
よくバイヤーさんに訊かれたりもしましたが、
人には説明しづらい検索ノウハウがいろいろありましてねえ。
単なる検索スキルじゃなくて、キー・パーソンを見つけて、
そこからトレーダーに繋がったりとか、人脈を作るスキルも
いつのまにか身についたような気がします。
長年探した一枚を、実店舗で発見した喜びに比べて、
オンライン・ショップでポチッても味気ない、みたいなことを言う人がいましたけど、
それは、オンライン・ショップ探しの醍醐味を知らないだけの話なんですよね。
苦心惨憺の末、お宝ザクザクのお店を見つけた時のカンゲキといったら、
PCの画面に向かってガッツ・ポーズせずにはおれませんよ。
これまでに何度、ヤッター!と大声を上げたことか。
こんなに見つけにくいサイトを作っておいて、よく商売できるもんだと、
ヘンな感心をしたりしてね。
デルタ・レコーズを見つけた時が、まさにそれだったなあ。
発見した当時、ハイチ音楽は、ミニがかろうじてCD化を進めているくらいで、
他のレーベルはほとんどCD化されていないとばかり思っていたんですよ。
ところが、デルタ・レコーズのサイトには、
ジャズ・デ・ジュン、ヌムール・ジャン=バチスト、ウェベール・シコー、
シュレ・シュレ、スカシャ、ボサ・コンボなどなど、
日本にまったく入ってきていないCDがどっさり載っていて、
いやぁ、わが目を疑いましたね。
片っ端から全部カートに放り込みたい欲望にかられましたけど、
初めて利用するサイトの初回オーダーは、
慎重を期して、5点以内と決めていたので、
はやる動悸を抑えつつ、アイテムを選んでオーダー。
初回オーダーが無事到着したのを確かめると、それを皮切りに、
10点単位で怒涛の如くオーダーをし続けました。
「君が初めて日本からオーダーしてくれたお客さんだよ」とは、
これまでにいくつものオンライン・ショップから言われ続けてきましたけれど、
最初にその言葉をもらったのが、デルタ・レコーズだったんじゃなかったかなあ。
頻繁にオーダーしていると、そのうち相手もこちらの嗜好を理解してくれて、
カタログにないアイテムを教えてくれたり、オマケに送ってくれるようになったりね。
デルタ・レコーズが扱うレーベルは、イボ、マルク、チャンシーが中心で、
ミニ、ローテル、スーパースターは扱っていなかったため、
それらのレーベルのCDは、また別のお店を探し出して買うようになりました。
その後4・5年経つと、カタログの更新が止まってしまい、
すでにカタログのほとんどを買い尽くしていたので、
サイトを見に行くこともなくなってしまいました。
気が付いた時には、すでにお店は閉鎖されたあとでしたね。
5・6年前だったか、ストラットが60~70年代コンパの編集盤を出したときに、
収録曲のオリジナルをすべて知っていたのも、デルタ・レコーズのおかげ。
ハイチ音楽を深掘りするのに、またとないお店でありました。
Super Jazz Des Jeunes "VACANSES" Ibo CD113 (1962)
Edner Guinard & Son Orchestre "LES BELLES MERINGUES D’HAITI" Marc CD400 (1960)