アフリカのCDでいちばん入手が難しかったのが、南アフリカ共和国(南ア)盤。
インポーターがいないのか、ワールド・ミュージック・ブーム時代にも、
南ア盤だけは日本にまったく入ってきませんでした。
スターンズに少しだけ南ア盤がありましたけれど、
直接南アから輸入できたらと思い続けていたので、
ワン・ワールドを探し当てた時は嬉しかったなあ。
そうだ、いま思い出したけど、
最初に南アのオンライン・ショップを見つけたのは、
ワン・ワールドじゃなかったんですよね。
ワン・ワールドに行きつくまでには、もう少し道のりが必要でした。
店の名前はもう忘れましたけど、最初に出会ったのはCD専門店ではなく、
アマゾンみたいなショッピング・モールでした。
そのお店で喜び勇んで、CDをいろいろとみつくろい、
いざオーダー手続きする段になったら、送り先に日本がないんですね。
えぇ~、日本には送ってくれないの?
オーダーの最後の最後で、それがわかるのって、けっこうショックでしたねえ。
昔はこういうことがよくあったんですよ。
レジスター登録をしようとすると、住所欄の国に日本がないとかね。
それでサイトの配送の説明を見に行くと、
「ウチは海外発送をしません」とかあったりして。
そんな店にいくつか当たったあと、行きついたのがワン・ワールドだったのです。
まず驚いたのが、カタログの膨大な量。
ぼくが探すのは、当然ながら南アの黒人音楽なわけですけれど、
考えてみれば、南アにはアフリカーンスの音楽もあるわけだもんねえ。
さらに、南アは欧米その他各国の音楽も自国のプレスで発売しているから、
ロック、ジャズなどのカタログも豊富。
ボブ・ディラン・マニアの人に南ア盤を買ってあげたら、すごく喜ばれたもんです。
さらに嬉しいのが、価格の安さ。
南アの物価水準はけっして低くはないんですけど、
円高・ランド安ということも重なって、CD1枚大体400~500円くらい。
さっきのボブ・ディランのような、海外ものがやや高くて、800円くらいでしたね。
送料も割安なので、いつも10枚以上まとめてオーダーしていました。
ただオーダーしたての頃、驚かされたのが、CDの送り方。
小包のような梱包をせず、大きめの封筒にCDをぶちこんで送ってくるだけという、
信じられないほど雑な送り方なんですよ。
十数枚ものCDを輪ゴムをかけるでなく、ただ袋に入れただけなので、
届いた時には、見事なまでにCDケースはすべて破壊しつくされているのでした。
いやあ、初めて届いた時は、笑ったなあ。
ジュウェル・ケースはバッキバキに割れ、トレイはひび割れ。
ここまで壊れていても、ディスクに傷はつかず、
ライナーも無事なのが幸いという感じで、
あまりにアフリカンな仕事に毎度脱力したもんです。
これ見て、けしからん!なんて怒るようじゃ、アフリカと付き合う資格なし。
まあ、一般の方には、とてもオススメできない通販サイトでしたねえ。
そしてサイトを利用し始めて、4・5年経った頃からでしょうか。
発砲スチロール製の緩衝材を入れて送るようになった時には、
おぉ、ついに南アもここまで来たかと、感慨深かったですねえ。
南アの通販サイトでは、のちにカラハリも利用するようになりましたが、
4年くらい前にワン・ワールドが閉店、カラハリは国内販売のみとなり、
南ア盤の入手ルートを失ってしまい、絶望の日々なんであります。
Dollar Brand "AFRICAN HERBS" As Shams/The Sun CDSRK (WL)786135 (1975)
Abafana Base Qhudeni "POO KE NNA" Gumba Gumba CDGB8 (1979)