7弦ギタリスト、ロジェリオ・カエターノの旧作2タイトルが入ってきました。
1枚は同じく7弦ギタリストのジアン・コレアとのギター・デュオ作で、
パンデイロとタンボリンが伴奏につき、
二人のオリジナル曲をショーロふうに演奏したもの。
このアルバム、往年の7弦ギターの名手、ジノに捧げられていて、
となれば思い起こされるのは、
ジノとラファエル・ラベーロが共演した91年のカジュー盤ですよね。
当時の新旧7弦ギタリストを代表する師弟が火花を散らした傑作でした。
カジュー消滅後もクアルッピが再発して、日本盤も出たことのある、
7弦ギター・デュオの代表的名盤です。
あの名作と比べるのは気の毒だけど、それにしても本作はダメだな。
なにがイケないって、2台のギターが同じ音域を弾いていることで、
音がぶつかって聴きづらく、対位法の効果が損なわれてしまっています。
で、ジアン・コレアとのギター・デュオ作は期待外れでしたが、
良かったのが、パゴージ・ジャズ・サルジーニャス・クラブの管楽器奏者
エドゥアルド・ネヴィスとのデュオ作。
二人は13年のショーロ・セッション“SÓ ALEGRIA” でも共演していましたね。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2017-01-21
こちらは、サポート・ミュージシャンなしの二人のみの演奏で、
緊張感みなぎるスリリングな演奏を展開しています。
こちらも連想させられるのは、さきほどと同じくカジューから出た92年作で、
ラファエル・ラベーロとパウロ・モウラが共演したアルバム。
さきのジノとの共演作とは異なり、ラファエルはグッと抑制の利いたプレイで、
歌ゴコロを前面に押し出しています。
とはいえ、端端で聞かせるシャープなプレイに、才気は溢れまくってますけれどね。
ピシンギーニャの「1X0」なんて、この二人ならではといえる名演でしょう。
パウロ・モウラがクラリネット、
エドゥアルド・ネヴィスはテナー・サックスとフルートという違いに加え、
デュオ演奏の性格も両者異なっていますけれど、
新たなる7弦ギターと管楽器の名デュオ作に間違いありません。
7年も前のアルバムで、気付くのが遅すぎましたが。
Rogério Caetano & Gian Correa "7" no label RCGC01 (2018)
Eduardo Neves e Rogério Caetano "COSMOPOLITA" Kyrios KYRIOS2656-15 (2015)
Raphael Rabello & Dino 7 Cordas "RAPHAEL RABELLO & DINO 7 CORDAS" Caju Music 849321-2 (1991)
Paulo Moura & Raphael Rabello "DOIS IRMÃOS" Caju Music 517259-2 (1992)