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フランス人ギタリストのアフロ・ポップ ヨアン・ル・フェラン

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Yohann Le Ferrand  YEKO.jpg

フランス人ギタリスト、ヨアン・ル・フェランによる、マリ・プロジェクトの初作。
冒頭から、ハイラ・アルビーのヴァイタルな歌声が飛び出して来て、
いきなり破顔しちゃいましたよ。

ベンディールのパーカッシヴな打音に、ノイジーなギターが被さって
ハイラ・アルビーが歌い出すと、やがて一弦フィドルのソクが絡み始めて、
ハイラとバック・コーラスが引き継いでいく。

なんなんすか、この出だしのカッコよさ!
まさに、つかみオッケー(死語?)なオープニング。
主役のファンキーなリズム・カッテングが、キレのあるビートをはじき出し、
ホーン・セクションが乱舞するアレンジも、実に鮮やかです。
う~ん、グルーヴィ !!!

18年に亡くなったハイラ・アルビーが歌っていることからもわかるように、
本作は長い時間をかけ、バマコで録音してきたものをまとめたアルバム。
主役のギタリスト、ヨアン・ル・フェランがバマコに連れて行った
ドラムス、ベース、ホーン・セクションのフランス人メンバーと、
マリの歌手やラッパー、音楽家たちとコラボした計6曲が収録されたEPです。

ヨアン・ル・フェランは12年にマリへ旅してから、
この地の音楽に深くコミットをするようなったそうで、
ロキア・トラオレ、ティケン・ジャー・ファコリーとの共演歴もあります。

マリのラッパー、ミルモを迎えた2曲目は、
ジャジーなコード進行がシャレのめしたアフリカン・ヒップ・ホップ。
アクースティック・ギターにタマが絡む生演奏のイントロから、
ヒップ・ホップ・ビートへとスムーズに滑り込み、フックの利いたメロディが、実にニクい。
キャッチーなコーラスといい、ヨアンのソングラティングのクオリティも高いなあ。
短いながら、ヨサンの弾くギター・ソロもキマってるしね。

チェロをフィーチャーして、悠久のサヴァンナをイメージする3曲目は、
サリマタ・ティナ・トラオレの柔らかな歌声が美しいマンデ・バラード。
ソクとンゴニをフィーチャーしたマンデ・ロックの4曲目は、
バンド・アンサンブルに映えるママニ・ケイタの歌声がシャープで、引きつけられます。
ラスト・トラックは、ブルキナ・ファソで活動するコート・ジヴォワール出身の
新進アフロ・ポップ・シンガー、カンディ・ギラを迎えた曲で、ハジケたポップがもうサイコー。
プロダクションが華美にすぎたカンディ・キラの新作より、
このトラックの方が、断然出来がいい。

わずか23分25秒の短さがもどかしく、ぜひフル・アルバムの続編を期待します。

Yohann Le Ferrand "YEKO" Back2Bam Production Y001 (2022)

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