今回のミャンマー入荷品で、真っ先に目に飛び込んできたのが、コレ。
誰だ、この見たことのない少女は、と。
すわメーテッタースウェ、キンポーパンチ、トーンナンディに続く、
伝統歌謡の新人登場かと、胸トキめいたわけなんですが、
いやぁ、その予感は大当たりでしたねえ。
その少女の名は、エーミャートゥー。
05年5月5日、エーヤワディ川沿いの都市ヘンザダの生まれで、
このデビュー作が発売された20年2月5日の時点で、まだ14歳ですよ。
次から次へと少女歌手がデビューする、
ミャンマーの伝統ポップ・シーン、ほんとにスゴイなぁ。
世界各地で伝統歌謡を受け継ぐ若手が先細りの傾向をみせているなか、
ミャンマーだけは、そんな世界の趨勢と逆行するかのようです。
アルバム冒頭、鶏の泣き声に鳥のさえずり、
寺院の鐘の音や太鼓の響きがコラージュされて始まるサイン・ワイン楽団の演奏、
そこにシンセがレイヤーされて歌い出すエーミャートゥーの第一声で、
ゾクッとしてしまいました。伝統歌謡のコブシ使いも達者な歌声に、
幼さはみじんも感じられません。
ポップな曲でも伝統歌謡と同じで、まっすぐな歌い方がいいよなあ。
アイドル歌謡みたいな媚を含んだ発声を、ミャンマーの女性歌手はしないもんね。
ぼくがミャンマーの女性歌手に惹かれるのは、ここにあるのかもしれないなあ。
スレていないというか、イノセントなミャンマーの伝統ポップの良さが、
このエーミャートゥーのデビュー作でも、存分に発揮されています。
ところで、ちょっとビックリなのが、若手伝統女性歌手たちのSNS事情。
フェイスブックのフォロワー数がスゴくって、メーテッタースウェが68万人、
キンポーパンチ53万人、トーンナンディ29万人って、とてつもない数なんだけど、
なんとエーミャートゥーのフォロワー数はダントツで、なんと98万人。
デビューまもない彼女が、メーテッタースウェよりも多いのに驚愕しました。
Aye Mya Thu "PYAN SONE KYA SOE MWAY HTAR NI" Man Thiri no number (2020)