アルバ・カレタの新作の記事を書いた時に、
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2022-05-25
同じカタルーニャ出身で、同い年の女性トランペッターのアンドレア・モティスに
ちらっと触れましたけれど、その時はまだ、この新作を聴いていなかったんです。
まさかアンドレアが、こんなバリバリの新世代ジャズをやるなんて!
だって、アンドレアって、手垢にまみれたスタンダード・ナンバーを歌ったり、
コマーシャルなブラジル音楽で売っていた人だよねえ。
ジャズ・オヤジを転がす商売上手なパパ活女子、なんて目で見てたもんだから、
別人のようなエレクトリック・ジャズぶりには仰天。いやぁ、見直しましたよ。
ドラムスにグレゴリー・ハッチンソン、キーボードにビッグ・ユキを起用しているんだから、
そっからして、これまでのインパルスやヴァーヴのコマーシャル路線とワケが違うのは、
容易に想像つきます。
のっけから、トトー・ラ・モンポシーナが歌っていた
クンビアの‘El Pescador’ が飛び出すんだから、ノケぞりますよ。
トトーの代表作“LA CANDELA VIVA” でおなじみの曲です。
この人、これまでクンビアなんて歌ったことなんて、あったっけか !?
ほかにもカタルーニャ語で歌っていたりして、
カタルーニャ人のアイデンティティを表明したのも、これが初なのでは。
グラスパーの影響を思わせるネオ・ソウルもあれば、
タイトル曲のような、もろエレクトリック・ジャズを展開するトラックもあり。
マンドリン伴奏から、シンセのオーケストレーションへとダイナミックに変化して、
ヴァイオリン・ソロが展開するスパニッシュな曲まで、内容は実に多彩です。
パパ向け需要をネラったスケベ根性が透けてみえる日本盤ジャケットより、
上に掲げたオリジナル・ジャケットの方が、断然いいと思います。
本人がせっかく、パパ活女子ジャズをやめたんだからさ。
Andrea Motis "LOOPHOLES" Jazz to Jazz AMCD001 (2022)
Totó La Momposina Y Sus Tambores "LA CANDELA VIVA" Realworld CDRW5671 (1993)