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ソウルおやじ クライド・アンソニー

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Clyde Anthony  IT’S TIME.jpg

ひさしぶりにインディ・ソウルをいろいろと買ってみました。
クライド・アンソニーという名前は初耳ですが、
インナーには、アーチー・ベル&ザ・ドレルズに8年間在籍したと書かれてあります。
ネットをチェックするも、この人の情報、ぜんぜんないですねえ。

真っ赤な表紙には、恰幅のいいご本人が、
「どっからでもかかってきなさい」式ポーズできめていて、
なるほどヴェテランらしい風格を醸し出しています。
いかにも歌えそうオヤジって感じなんですが、
じっさい歌えるオールド・スクールなソウル・シンガーなんですよ、この人。

プロダクションは、インディ制作ゆえのボトムのウスっぺらさという粗もありますが、
スムースなサウンドと、力量のあるヴォーカルに引き込まれて、
プロダクションの弱さはあまり気になりません。

なにより特筆できるのが、楽曲の良さですね。
ヴァラエティがあり、スローもミッドも丁寧に作り込まれた曲ばかりで、リズムも多彩。
ライナーには、多くの歌手やグループに曲やアレンジを提供してきたとあるので、
本作の曲もクレジットはありませんが、クライド自身が手がけたものなんでしょう。

ソウルフルなヴォーカルばかりでなく、
スムース・ジャズ調のサウンドの‘Happy People’ では、
スウィートな歌い口を聞かせるなど、コンテンポラリーにもフィットするシンガーですね。
ライト・ファンクな‘It's Time’ もいい感じ。
ファルセット使いも巧みですよ。

華々しいR&Bシーンのレトロ・ソウルとは別世界にあるインディ界ですが、
こういう現在進行形ソウルの良作を見つけ出すのも、また楽しみなのであります。

Clyde Anthony "IT’S TIME" Capricorn 13 HTMN57860 (2021)

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