O・K・ジャズで目立たないリズム・ギターを弾く一方で、
名作曲家として重要な屋台骨の役割を果たした御大シマロの新作。
13年にリリースされたものの、なかなか日本に入ってこなかったんですよね。
2枚組セット仕様のものもあるようですが、ぼくが手に入れたのはバラの2枚。
シマロっていくつになったんだっけと調べたら、生年が38年とあるから、
アルバム・リリース時、75歳か。
もうお爺ちゃんなわけですけれど、ジャケットはキメてますよねえ。
サップールを生むお国柄だから、やっぱオシャレだなあ。
思えばウェンドだって、晩年まで黒のスーツでびしっとキメてたもんなあ。
ギターを持った裏ジャケットは、リラックスした普段着姿で、
「詩人」と称されたシマロの職人ぽい雰囲気がよく表れています。
前作(だと思う)の08年作“SALLE D'ATTENTE” では、パパ・ウェンバ、ンビリア・ベル、
ジョスキー、フェレ・ゴラなど大物ゲストを多数招いていましたけれど、
今作のジャケットには何も書かれていないところをみると、今回はゲストはなしでしょうか。
ンドンボロ以降の、キディバだかコインビコだかなんだか知りませんけど、
徹頭徹尾ダンス仕様となったサウンドに食傷気味の当方としては、
バナOKのゆるやかにスウィングするリズム感は極上です。
シマロの美しいメロディを引き立てるヴォーカルとコーラスも申し分なく、
天国に連れて行ってもらえますよ。
ルンバ・コンゴレーズのこの味は、永遠不滅ですね。
サウンドも単なる昔の再現ではなく、うっすらとシンセをカクシ味に使うなど、
現代性を感じさせるプロダクションとなっていて、デリケイトに制作されているのを感じます。
両CDともラストは、ピアノをメインにゆったりとしたアクースティックなルンバで、
女性歌手に歌わせた趣向もとてもいい感じじゃないですか。
O・K・ジャズの詩人、健在なりですね。
Lutumba Simaro & Bana OK "ENCORE & TOUJOURS VOL.1" Diego Music no number (2013)
Lutumba Simaro & Bana OK "ENCORE & TOUJOURS VOL.2" Diego Music no number (2013)