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ディープなショウケース ブラック・ウフルー

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Black Uhuru  Showcase.jpg

おぉ、ついにオリジナルのジャマイカ盤のジャケットで、CDになったのかあ。

マイケル・ローズとピューマ・ジョーンズがオリジナル・メンバーと交替して入り、
ダッキー・シンプソンとの3人組となった、
新生ブラック・ウフルーの79年初アルバムです。
ぼくがブラック・ウフルーを聴いたのは、このあとの80年作“SINSEMILLA” からで、
これにブッとび、メジャー・デビュー前に出ていたというジャマイカ盤を探し回りました。

カラフルなアートワークのアイランド盤とは大違いの、
地味な白黒イラストレーションが、いかにもジャマイカ盤らしいところです。
プレスが悪いのか、塩化ビニールの材質が粗悪なのか、
ジャマイカ盤ならではの、チリチリ音がするレコードでしたね。

実はこのレコード、多くのヴァージョンがあったんですよ。
原盤はジャマイカのタクシーですけれど、
イギリスではD-ロイからジャケットを変えてリリースされ、
カナダからは、ブラック・ローズがジャマイカ盤と同じジャケットで出し、
A面最後に‘Shine Eye’ を追加していました。

その後、80年にイギリス、ヴァージンが、タイトルを“BLACK UHURU” と改題し、
ジャマイカ国旗がはためくジャケットに変更して再発。
‘Shine Eye’ を‘Shine Eye Gal’ と変えて、A面トップに据えられました。
CD時代には、アメリカのハートビートがヴァージン盤の内容で、
後年の3人の写真に差し替え、
“GUESS WHO'S COMING TO DINNER” のタイトルで出しています。
今回、ジャマイカ原盤のタクシーから出たCDは、オリジナルの計6曲に、
‘Shine Eye’ が追加された内容で、曲順もカナダ盤同様となっています。

このアルバムの7曲中の5曲が、82年のライヴ盤で歌われていたんですよね。
ライヴ盤には異様な緊張感が漂っていましたけれど、
オリジナル録音は、ライヴとはまた質の違うヘヴィーなサウンドとなっていて、
そのダークな表情に打ちのめされました。

今回出たCDを聴いて、音質の良さにはビックリ。こんなに音が良かったのか。
ジャマイカのタクシー盤LPしか聴いたことがなかったので、
あらためてジャマイカ盤LPの粗悪さを痛感しましたよ。
‘Shine Eye’ もようやくオリジナル録音が聴けたし。
もっと早く、再発のヴァージン盤やハートビート盤を聴いておけば良かったのかも。

その後のブラック・ウフルーでは、
ライヴ・アンダー・ザ・スカイへの出演で、84年に来日したんですよ。
ボブ・マーリーの来日をスルーした自分でも、ブラック・ウフルーは見逃せないと、
野外フェスにためらいつつも、単独出演だからと自分に言い聞かせて、
会場のよみうりランドへ向かいました。

でもねえ、なんか、ピリッとしないライヴでしたねえ。
82年のライヴ盤の緊張感なんて、まるでなし。
スライ&ロビーの演奏もゆるい感じで、
ロビー・シェイクスピアのベースはミス・トーンも目立って、手抜きぽい感じでした。
途中、ハメ外した女がステージによじ登って踊るハプニングがあり、
係員がすぐ引きずりおろしたけど、
あー、これだから、フェスってヤなんだよと、ますますフェスぎらいになったっけ。

客もダメだけど、やる方も真剣味に欠けてて、
やっぱフェスって、ショウケースぽいギグになりがちだよなあ。
でも、リニューアルしたブラック・ウフルーの出発点となった『ショウケース』は、
見本市とは訳が違うディープさが詰まっているのでした。

Black Uhuru "SHOWCASE" Taxi TAXICD001 (1979)

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