ヘルシーなオーガニック・グルーヴ マダリッツォ・バンド
手作り楽器を奏するマラウィの二人組、 マダリッツォ・バンドのインターナショナル向け第2作。 アクースティック・ギターをかき鳴らしながら、足踏み太鼓を叩き、 1弦ベースをぶんぶん弾きながら歌うという、 ただそれだけのシンプル極まりない音楽。 この屈託のなさ、オーガニックなサウンドのヘルシーさがたまらないんです。 ギターのカッティングと、1弦ベースのスラップがグルーヴを生み出し、...
View Article奇跡のファルセット マヒ・ビーマー
関東が6月に梅雨明けするやいなや、 いきなり最高気温が36度を超したのには、参りました。 20年来のウォーキング習慣で、夏負けしない身体づくりをしているとはいえ、 昼休みにランチへ行き来するだけで、 アスファルトの輻射熱と熱波で、頭がクラクラしてきます。ここ、ドバイかよ! ほんと、外で現場仕事する方々には、リスペクトしかありません。...
View Articleスラック・キー・ギターで納涼 ケオラ・ビーマー
マヒ・ビーマーの続きで、マヒゆかりの人ということで、 スラック・キー・ギタリストのケオラ・ビーマーを引っ張り出してきました。 ケオラ・ビーマーは、ハワイの名門音楽一家ビーマー家の御曹司。 ヘレン・デシャ・ビーマーのひ孫、マヒ・ビーマーの甥っ子にあたります。 ぼくはケオラのギターが大好きで、昔サインを入れてもらった2枚は、 妻もお気に入りの、夫婦の愛聴盤となっています。...
View Articleカーボ・ヴェルデの女性を称えて ルシベラ
新作と勘違いして、デビュー作の改訂版に飛びついて失敗した カーボ・ヴェルデのシンガー、ルシベラの2作目。 今度こそ本物、6月3日に出たばかりの新作であります。 https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2021-10-13 今回もモルナ、コラデイラを真正面から捉えたカーボ・ヴェルデ歌謡集で、 奇をてらわない誠実な作りに、この人の歌と向き合う姿勢がよく伝わってきます。...
View Articleウクレレ・プレイズ・リラクシン・ミュージック オータサン、ライル・リッツ
ひさしぶりに「ハワイ」の棚から、CDをいろいろ取り出して聴いてみたんですけど、 リゾート気分を味わうなら、やっぱりウクレレの神様、オータサンが鉄板ですね。 88年のカセット作を93年になってCD化した“WHERE IS MY LOVE TONIGHT”、 これぞ究極のイージー・リスニング・アルバムです。 オータサンのウクレレに、ベース、ギター、キーボード、パーカッションという編成で、...
View Article知られざる女性スラック・キー・ギタリスト ジョアニー・コマツ
おぉ、そうだ。このアルバムも良く聴いたっけなあ、と取り出したCD。 女性では珍しいスラック・キー・ギタリストの、ジョアニー・コマツの95年作です。 リトル・パインというレーベル名は、名字の小松を指しているんだろうから、 自主制作盤なんでしょうね。 リリース当時ですら、ほとんど注目を集めることもなかったCDですけれど、 当時人気の高かったテレサ・ブライトより、ぼくは才能のある人と思っていました。...
View Article作曲と即興のハーモニー ワコ
バンドキャンプ・デイリーのジャズ新作の記事を読んでいて、 シェーティル・アンドレ・ミュレリッドというノルウェイのピアニストを知りました。 91年生まれという新世代ながら、ピアノ・ソロやトリオほか、 さまざまなフォーマットのアルバムを出していて、 すでに大きな注目を集める期待の若手のようですね。 北欧ジャズ独特の鋭敏な音楽性を感じさせる人なんですけれど、...
View Articleクワイアの基礎を作ったゴスペル最強のソロイスト アレックス・ブラッドフォード
アレックス・ブラッドフォードの初期録音が、まとめて26曲蔵出し! ゴスペル専門のリイシュー・レーベル、ゴスペル・フレンドがやってくれました。 アレックス・ブラッドフォードを聴くのなんて、いったい何十年ぶりだろう? もう手元にはありませんけれど、テイチクから出た日本盤LPで、 アレックス・ブラッドフォードに夢中になったんでした。 今回復刻されたのは、ブラッドフォードのデビュー録音から、...
View Articleヒューストン・ブルーズン・ソウル・レディ ダイユーナ・グリーンリーフ
ひさしぶりに、グッとくるブルース・シンガーに出会いました。 ダイユーナ・グリーンリーフ。57年ヒューストン生まれという、 ぼくの一つ年上のブルース・レディであります。 ソウル、ゴスペル色の強いブルーズン・ソウルを歌っているんですけれど、 力のあるヴォーカルには円熟味があって、感じ入っちゃいましたよ。 シャウトをしても無理がなく、内から湧きあがるソウルフルな衝動が 素直に伝わってきて、胸をすきます。...
View Articleアメリカン・フォークの実験場 サリー・アン・モーガン
アパラチアの伝統音楽を拡張するマルチ奏者、サリー・アン・モーガンの第2作。 昨年11月にデジタル・リリースされて、遅れること7か月、 ようやくCDがリリースされ、手元に届きました。 プリ・オーダーしていたのも、すっかり忘れてたんですが、 なんとデジタル版より2曲多く収録されていて、わーい(*´▽`*) https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2020-11-23...
View Articleアフロビーツのテンプレートに落とし込んだ新作 アデクンレ・ゴールド
思いがけずフィジカルで聴くことのできた、アデクンレ・ゴールドの新作。 ナイジェリアのアフロビーツは、デジタル・リリースがデフォルトになってしまって、 CDリリースが皆無になってしまった感のあるここ数年ですけれど、 アメリカのブートレグ・レーベルから出るとは、なるほどそのテがあったか。 で、4年ぶりのCDでのご対面。 デビュー作とセカンドでは、「アーバン・ハイライフ」と自称していたとおり、...
View Articleディープなショウケース ブラック・ウフルー
おぉ、ついにオリジナルのジャマイカ盤のジャケットで、CDになったのかあ。 マイケル・ローズとピューマ・ジョーンズがオリジナル・メンバーと交替して入り、 ダッキー・シンプソンとの3人組となった、 新生ブラック・ウフルーの79年初アルバムです。 ぼくがブラック・ウフルーを聴いたのは、このあとの80年作“SINSEMILLA” からで、...
View ArticleジャマイカのタクシーがCD化したデビュー作 アイニ・カモーゼ
ジャマイカのタクシーから、ブラック・ウフルーの“SHOWCASE” が オリジナル仕様でCD化されたのにあわせ、アイニ・カモーゼのデビュー作も デジパックで再発されたので、買い直しちゃいました。 06年にCD化されたときは、CD番号もなく、オリジナルのイギリス、アイランド盤の ジャケットを複製した印刷が粗悪で、海賊盤かと疑ったものです。...
View Articleオフィシャル・リリースされた名ブートレグ リトル・フィート
リトル・フィート・ファンにはおなじみのブートレグが、ライノからオフィシャルCD化! なんと、去年11月のレコード・ストア・デイの限定商品で、リリースされていたんですと。 レコード・ストア・デイとは縁がないもので、ぜんぜん知りませんでした。 即完売となったものの、数量限定で再流通したらしく、 ロック方面にウトい自分も、ようやくそれで気付くことができました。...
View Articleフュージョン・ヴァイオリンの名作 ミハウ・ウルバニャク
「マイケル・ウルバニアク」と書かれることがもっぱらの、 ポーランド出身のジャズ・ヴァイオリニスト。 「ミハウ・ウルバニャク」と書いた方がいいんじゃないかと思うんですが、 この人のフュージョン作で、80年にモータウンから出たアルバムを、 その昔愛聴していました。 ベースにマーカス・ミラー、ドラムスにバディ・ウィリアムズ、ヨギ・ホートンという、...
View Articleネット世代のシティ・ポップ ぷにぷに電機
YouTube で「君はQueen」を観て、惹き込まれました。 ネット世代のシティ・ポップといえばいいんでしょうか。 クセのあるディクションで歌う、女性シンガー・ソングライターなんですけれど、 それが気取った感じに響いてこない。こういうタイプって、スカしたイヤミな感じに 聞こえることがほとんどなのに、それがまったくないのは得難い個性です。 ヴォーカルにすごい訴求力があって、YouTube...
View ArticleUKブラックの内省と孤独 ドゥ-ムキャノン
音楽に込められた、作者の意思の熱量がスゴイ。 演奏が伝えようとするメッセージの内容を、まったく知らずに聴いているだけなので、 きわめてあいまいな感想にすぎませんが、ストーリー性のある楽曲が並んでいて、 聴き応えがスゴイ。圧のある作品ですよ。 南ロンドン出身のマルチ奏者でコンポーザー兼プロデューサーのデビュー作。 制作に4年かけたというのもナットクの緻密さで、ストリング・アレンジを含めて、...
View Articleイノヴェイティヴなフィンガースタイル・ギター ヤスミン・ウィリアムズ
ひさしぶりにスラック・キー・ギターのアルバムを いろいろ聴いていたのが呼び水になったのか、 ステキなアクースティック・ギターのアルバムと出会えました。 サリー・アン・モーガンのインタヴュー記事で、 最近聴いているアルバムとして挙げられていた、 アクースティック・ギタリスト、ヤスミン・ウィリアムズの20年作です。 18年にデビューした新進のフィンガースタイル・ギタリストで、これが2作目。...
View Articleカヴァキーニョでサン・ジョアン祭 セルジオ・シアヴァッゾリ
アウトレット・セールで、ブラジル盤をまとめ買いしちゃいました。 日頃のチェックで気になったブラジル音楽のCDは、 おおむね買っているつもりなんだけど、 けっこう見落としているアイテムがあるんですねえ。 ここ10年分くらいの在庫一掃セールのリストを眺めていたら、 何だコレ?とまったく見覚えのないものが、ちょこちょこありました。 まず、ビスコイト・フィーノから16年に出ていた、...
View Articleクリチーバのバンドリン奏者 ダニエル・ミグリアヴァッカ
ダニエル・ミグリアヴァッカというバンドリン奏者は、初めて知りました。 スゴ腕ですねえ、この人。相当な実力者とお見受けしました。 なんか前にも、このジャケットと構図そっくりの バンドリン奏者のアルバムがありましたよね。 https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2017-09-26 経歴を見ると、サン・パウロ生まれで、2000年にクリチーバに移住してから、...
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