バーナ・ボーイの前作“TWICE AS TALL” は、
パンデミックの憂鬱な気分を増幅されるようで、とても繰り返し聴く気になれず。
なんかこの人って、暗いんだよなあ。力作なのはよくわかるんだけどさあ。
大ブレイクした“AFRICAN GIANT” もそうだったけど、
なんでこんなに暗いのが売れるのかしらん。
そんな相性の悪いバーナ・ボーイなんですけれど、
6作目となる新作は、なんか軽やかになったんじゃない?
レディスミス・ブラック・マンバーゾと共演した出だしの1曲目から、
重苦しさのとれた声がカラッとした印象を与えていて、耳をそばだてられました。
2曲目以降は、この人らしい内省的なメロディの曲が続き、
ネクラな体質は変わってないなと感じるものの、
サウンドのヌケが良くなり、適度にスキマのある音像とあわさって、
重苦しい印象が消えましたね。
前々作、前作の大作主義的な作品に共感できなかったのは、
この人の素顔が、あまりよくうかがえなかったからなのかも。
曲に込めたメッセージが、音楽をジャマしてたんじゃないのかなあ。
本作では、バーナ・ボーイの肉声がよく聞こえてきて、
あらためて魅力的な声質と、豊かな感情表現の持ち主であることを
再認識しました。
ちなみにぼくが入手したCDは、配信の11曲目‘Toni-Ann Singh’ が未収録。
オルタナティヴ・カヴァーのヴァージョンを買ったのがイケなかったか。失敗。
3種類あるオルタナティヴ・カヴァーのヴァージョンには、
どれもこの曲が未収録のようなので、ご注意あれ。
Burna Boy "LOVE, DAMINI Alternative Cover 3" Atlantic 075678632006 (2022)