うぉー、すごい音圧。
ホーンズとパーカッション陣がぐいぐいと押し迫ってくるサウンドに、ノックアウト。
出音イッパツで、とびっきりの一級品のプエルト・リコ・サルサだってことが、
すぐわかるってもんですね。
コンボを名乗ってるけど、サウンドはまぎれもなく、重量級オルケスタですよ。
なんだかここんところ、サルサが還ってきてる感じがしますね。
ボビー・バレンティンの新作もそうでしたけど、
この前聴いたロス・アチェーロスの2作目も、
70年代サルサ時代のバリオの匂いをぷんぷんと撒き散らしていて、マイったばかりです。
で、こちら、リーダーのピアニスト、ホセー・ルゴは、
ボビー・バレンティンやウィリー・ロサリオのもとで修行し、
その後、ヒルベルト・サンタ・ロサ、トニー・ベガ、ビクトル・マヌエル、イサック・デルガード、
エルビス・クレスポなど、さまざまな歌手のディレクションを務めてきた人とのこと。
バイラブレに徹して、一瞬たりとも緊張を緩めないスキのないアレンジが見事じゃないですか。
まさに豊富なキャリアに裏打ちされたディレクションといえますね。
この緻密なアレンジこそが、80年代以降のプエルト・リコ・サルサの醍醐味ですよ。
オルケスタが気持ちよく、ウネること、ウネること。
ボビー・バレンティンはシャープな切れ味でウナされましたけど、
こちらはファットなグルーヴに魅せられました。
懐の深さを感じさせたのは、ノロ・モラレスの曲をインスト演奏でさらりとやっていたこと。
ほかにも、ルイス・カラフのメレンゲを取り上げていたりと、
プエルト・リコだけにとどまらない古典ラテンへの目配りをしていて、
アルバムに奥行きを生んでいるところも、さすがです。
José Lugo & Guásabara Combo "¿DÓNDE ESTÁN?" Engrande Music EG506 (2016)