宮古の唄を堪能してきました。
コンサートではなく、少人数のファンの集いといった
インティメイトな雰囲気で宮古民謡を楽しめたのは、
国吉源次さんを五反田にある
沖縄料理居酒屋の結まーるで聴いた、00年1月以来ですね。
宮古民謡を知ったのも、国吉源次さんがきっかけで、
平岡正明の『クロスオーバー音楽塾』を読み、
沖縄に電話をしまくってレコードを送ってもらった
78年の冬のことでした(遠い目)。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2012-08-31
宮古民謡は、本島の民謡とはだいぶ趣が違って、
ひとことでいえば、朴訥。
華やかさを感じさせる本島や八重山の唄に比べれば、
ぐっと素朴な佇まいながら、
その底に宿る、揺るぎない強靭さを感じ取れるようになると、
こたえられなくなるんだな。
與那城さんのストレートな発声や、コブシを多用しない節回しはすがすがしく、
CDを聴いていた時から大好きだったんですが、
生で聴いた與那城さんの歌声は、高い調子でも低い調子でも声の音圧が変わらず、
いい歌い手だなあと、あらためて感じ入ってしまいました。
最近では、久保田麻琴さんのフィールド録音や映画「スケッチ・オブ・ミャーク」などで、
広く知られるようになった宮古の古謡ですけれど、
この夜もとりわけ印象的だったのは、無伴奏で歌った古謡「白鳥ぬアーグ」。
マイクなしで聴く與那城さんの発声に、身体の細胞を揺り動かされる思いがしましたよ。
輿那城美和 「宮古島を唄う」 輿那城美和 MFGT01 (2013)
国吉源次 「宮古民謡特集」 丸福 F25-3